血を分けた子ども
34件の記録
いちのべ@ichinobe32026年6月27日読み終わった著者のプロフィールを知らぬまま読み進め、途中のエッセイでおやと思い、見てみたら1947年生まれ、2006年没と知り驚いた。何もかもがまったく古びていない短編集だったから。「血を分けた子ども」がネビュラ賞を受賞したのが、俺の生まれた年だったとは! SFやファンタジーも、その要素がない作品も、エッセイも、何もかもが自分の嗜好に馴染んで、読み終えるのが惜しかった。 後半で好きだったのは新作短編として収録された「恩赦」で、「血を分けた子ども」とはまた別の形の、地球外生命体との共生あるいは搾取、権力勾配のある関係性が描かれていた。地球外生命体にとって人間がどんな存在なのか、が分かった瞬間の驚きと悍ましさよ。
いちのべ@ichinobe32026年6月19日読んでる「夕方と、朝と、夜と」を読む。 両親の壮絶な死を経て大学生となった、ある遺伝性疾患を持つ主人公が、同じ疾患を持つパートナーと出会い、その母が入所している保養所を訪ねる話……という簡素なあらすじでは表現しきれないほど、様々な感情や人間性が詰まってて。 めちゃくちゃ面白くて、面白いからこそ、勢いで読み進められず、一話一話を大切に噛み締めたくなる短編集だ。各話ごとに後書きがあるのも影響しているかも。 たったひとつの遺伝子が人間を変えてしまう……というテーマから、最近読んだばかりの漫画『まどいのいきもの』を思い出した。あちらは銀河生物の寄生の影響だったが、この短編に登場する病も、患者は能力値が高まるという設定があるので。 あとがきに挙げられている『妻を帽子とまちがえた男』はいま受講している心理学概論でも紹介されていたので、俄然読まねばという気持ちに。

いちのべ@ichinobe32026年6月5日読み始めた表題作、「男性妊娠小説」とだけ聞いて飛びついて、ネタバレを踏まずに読めて良かった…… 物語の冒頭、「ぼくはト・ガトイのベルベットのような腹部にもたれかかり(p10)」という文章の時点では人に似た姿を思い浮かべていたが、 > 母が顔を背けると、ト・ガトイの脚が何本か、ぼくをしっかり抱え込んできた。(p10) という描写から、どうやら全く違う見た目の生きものらしいぞ……と、「トリク」やこの世界についてじわじわと把握していく体験がたまらなかった。 そして「ン・トリク」という知らない単語、それがどうやら人間らしいことがわかり、主人公は何故か畜殺を命じられ、「食べて栄養をつけるためとかかしら?」となどと呑気に考えていたら、とんでもなくグロテスクな用途、そして光景を浴びせられる。 自分はこういう、「馴染みのある人間社会とはまったく異なるルールの社会」を観測するのがたまらなく好きなのだ。 そのうえ、この物語は、異種族間のラブストーリー(!)であり、一人の少年の成長譚であり、期待通りの男性妊娠小説でもある……読んでいる間ずっと多幸感に満たされていた。自分では想像だにしなかった「顧客が本当に求めていたもの」をお出しされた感がすごい。 ト・ガトイは無理矢理ギャンに卵を産みつけようとはしない。彼らの間には合意形成があり、愛情もある。しかし行くあてもなく逃げてきたテランと、彼らを「保護区」で生き延びさせてあげているトリクの間には、圧倒的な非対称性がある。そして現実の人間の生殖では、(少なくとも今のところは)「子宮を持つ側」にのみ、圧倒的な肉体的リスクが非対称に課せられている。シンプルに面白いだけでなく、現実の様々な社会構造がオーバーラップする。
いちのべ@ichinobe32026年6月3日気になる> ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞の三冠に輝いた究極の「男性妊娠小説」である「血を分けた子ども」。 「ニュースめった刺し #2」で話題に上がってた本、めちゃくちゃ気になる。
寺バースト@teraburst2026年5月30日読み終わったフォロワーのお気に入りの一冊。影響を受けて読んだ。人類に対する批判、絶望、諦念……を感じる世界観のものが多いが、どの作品にも粘りづよくの精神を感じる。作者によるあとがきが毎作品についているのがうれしい。
はちむら@hatch-me2026年4月13日読み終わったちょっと毛色の変わったSFが読みたいな…と思って見つけた本。著者の来歴に注目して宣伝されがちみたいだけど、背骨がしっかり通ったソフトSFでしっかり面白かった! 「話す音」の突き放すような希望のあるような後味、「恩赦」の諦めを帯びたラスト、どれも胸に棘が残るような読み口でよかった。
Chihiro@chiii_no02025年3月10日買った読み終わった男性が恋をして妊娠をする物語を描きたかったというバトラーの言葉につられて普段ほとんど読まないSFを読んだ が、そもそもSFと現実との距離を感じてしまっている私にとってはこの小説の世界はどうにも非日常だったな、読書の経験値を積んでから再読すればきっとその感覚は変わるだろう

























