東京都同情塔
38件の記録
- ごうき@IAMGK2026年5月30日読み終わった「他人の言葉を継ぎ接擬してつくる文章が何を意味し、誰に伝わっているかも知らないまま、お仕着せの文字をひたすら並べ続けなければいけない人生というのは、とても空虚で苦しいものなんじゃないかと同情したのだ」 5月末、非常に大変なことがあり、精神が極めて不健康だったので、読むのが遅れてしまった。裏表紙の粗筋を読むに少しフィクション感の強い作品で、純文学を銘打っておきながらフィクション感の強い設定にやや嫌悪感を感じる私はずっと嫌厭してきたが、いざ読んでみるととても良かった。もう一度読むべき作品だろう。というのも、私はこの作品をまだ完全に咀嚼しきれていないからである。そんな状態で記録を記すことは若干憚られるが、まあそれも大切なことだろうから、一応書いておこう。 まず、作品の吸引力がすごい。読めば読むほど作品は私をどんどん呑み込んでいき、次第に右も左もわからなくなって、ただただ作品の中で波に揉まれてしまう、そんな感覚に陥った。非常に強い力を持った作品だ。建築とは無縁であろう作者:九段理江が全く人種の異なる人間にここまで思想を詰められるのが圧巻である。登場人物の緻密な人格形成には驚かされるばかりである。 本作は「AI時代の到来を預言する」とかで評価されていたようだが、少なくとも私にはそうは思えなかった。この辺りがまだ私が掴みきれていない部分だが、本作の主題は恐らく「言葉」そのものであろう。本作は言葉の持つ重さ・適切さ・価値から語感・構造・虚構性まで、言葉に備わる機能や性質について網羅し、言及されている。しかしその言葉に意味を持たせるには、恐らく主体性が大切である、というのが主題であろう(もしかしたら、違うかも)。AIの生成する文章の軽薄さ、あくなき寛容さが齎す主体の軽薄化、それらが発する言葉には重みがないのだろう。というのが、1周目でぼんやりと考えていたこと。とはいえ、主人公自身が建築であると自覚して終わるという展開から、まだ大事なキーワードを逃している気がする、「内部」とか「外部」とか…。うーむ、分からんな。言葉のフォルム(形式)とテクスチャ(手触り)とはまた一線を画す議論ではありそうだけれど……。 あとは、そうだな、単純に文体が好きだ。現象に対する内面の鋭敏さというか、世界を内面に落とし込む描写に非常に優れている。感覚が敏感すぎる。 虚構の言葉を操って言葉について語るなら、その語りもまた、虚構なのだろうか? 面白かった。必ず、もう一度読もう。




倫理ペン@pen04142026年5月22日読み終わった正直読みにくい構成だ やたら変調やテーマが変更される音楽の如し 主人公の女性建築家は“東京都同情塔”が建つ前の段階ではとっても興味深いオンナで 文庫本の著書の写真をその主人公と思って読んだ 同情塔が建ってしまったのちはなんだかイマイチだった 刑務所が受刑者にとって(世の中の一般人の生活よりも)居心地の良い環境って設定が説明が少ない
読めいん@yomain2026年5月21日読み終わったザハ・ハディドの新国立競技場が建設されたパラレルワールドの東京が舞台の作品。作中ではその後2020年代後半らへんでとてもユートピア的な建物が建てられるが、(政権交代などの政治的転換ではなく)ひとつの建物が建てられたか建てられなかったかをここに至る歴史の分岐点として置くという発想がめちゃめちゃ面白い。 小学生くらいのころの私は10数年先には常に未来が存在していて、それに向かって日本、東京が自ら形を変えて進化していくと当たり前のように考えていた。しかし、今になってその感覚がきれいに無くなっていることに気づいた。 今思うとザハ案の巨大な生物を思わせる異質なデザインが2010年代前半の私に偉大な2020年代を期待させたのかもしれない。 そういう意味で不思議と説得力のある設定だった。
すけ@suke_3652026年5月16日読み終わったどこまでも新しい作品だと感じた。 AIとの会話や登場人物の人間性など、これまで読んできた本とは全く異なると感じた。 もし昔の本が好きな人に、最近の本のおすすめを聞かれたらこの本を薦めると思う。 、、犯罪者に対しては慈悲の気持ちを持つべきなのか、、自分や自分の大切な人が傷つけられた時、私は果たして赦すことができるだろうか、、
チョキ@scissors_andmore2026年5月9日読み終わった連なる言葉の質量に圧倒されるけど構成が整っていて変に重くなく、読みやすい。お話も示唆に富んでいて今を生きる私にはたしかな手触りがあった。 主人公(作者)はずっと何かに怒っていて、その憤った空気が静かに漂っていました。
伊北郁@Kaoru_1kita2026年5月5日読み終わった現実では頓挫したザハ・ハディドの国立競技場が完成した世界で、『同情されるべき人間』を収容する『刑務所タワー』のデザインコンペに参加する女性建築家の話。 分かりやすいところと分かりにくいところの差が凄いが、文章は非常に読みやすい。 ただそれはそれとして、言語や物理的な存在が人の『認識』に影響を与えるという明快なメッセージ以上のものが自分の理解力では汲み取れなかったので、(嫌々)芥川賞の選評を読んでみたら、みんなめちゃくちゃ曖昧なことしか書いていなかった
ペプラム@B503719522026年5月2日読み終わった2年前に話題になってたからたまたま文庫新刊コーナーで見かけて嬉しくなって買った。 『東京都同情塔』 読みやすいし、静かに毒と怒りが混じっててこの人好きだなと思える文章。 ザハ・ハディドの建築って人々が幻視した理想として美しすぎるんよな。美しいからそうだったらいいなってみんな思う。そこを共有できてるから物語が飲み込みやすい。後半かなり観念の話になってついてけなくなっちゃった。前半の偽史の部分がかなり好き。建築ってまだまだ勉強中というか、良さをほかの芸術ほど自分の言葉で説明できなくて悔しいからもっとたくさん見て触れて出たり入ったりしたい。 『Planet Her あるいは最古のフィメールラッパー』 これがヤバい!って2年前にツイートを見てからずっと読んでみたかった作品。短くて読みやすいのにめちゃくちゃかっこいい。Doja catきかなきゃ!


バナナカプチーノ@bananacappuccino2026年5月1日読み終わった文庫化されてるのを見つけて即購入。思ってたほど前衛的でもなくちゃんと読み進められました。…が、考えさせられる材料が次々に放たれていくというか、近未来感もあり、なんか凄かったです。16ヶ国で出版決定!とのことで、勢いありますねー
































