恐るべき緑 (エクス・リブリス)

47件の記録
プールに降る雨@amewayamanai2026年2月21日読みたい読み終わったフィクション成分多めの天才科学者列伝。 科学に関する専門的な記述はほぼ理解できなかったけど、流し読みを許さない精緻な文体とか、つねに死の匂いを漂わせる陰鬱さは好みではあった。
もぐもぐ羊@sleep_sheep2026年1月30日読み終わったおもしろかった! 出てくる学者たちが研究していることについては全然わからなくても彼らの葛藤や苦悩は理解できるので最後まで読み進めることができた。 途中でオッペンハイマーの名前が何度か出てきたけど彼が主体となった章はなかったし核爆弾の投下についてもそれをにおわせる程度で直接的な描写はなかった。 生物化学兵器は古くから禁止されているのに(1925年ジュネーブ議定書)核は禁止されてないのはなんでなのかなとたまに思っては忘却してた。 恐らくWW1でドイツが毒ガスを使ったのがあまりにも多くの兵士の命を奪ったり後遺症を残したから禁止に動いたのだろう。 では核は?となると落とされた側の日本についてヨーロッパの主要国からは遠すぎて被害が見えにくかったのもあるだろうし、東アジアの極東の島国についての関心が低かったのではないかと予想している。 また戦勝国のアメリカに核を使うことのお墨付きを与えてしまったため、核を禁止することが難しくなってしまったのでは、と想像する。 WW2後の冷戦では核で米ソが威嚇し合っていたようなものだし、その後さまざまな国が核実験を行って核を保有するにいたっている。 核拡散防止条約に日本が批准できないのはアメリカの核の傘に守られているからと言われているけど、唯一の被爆国として核にNO!を突きつけたいと私は思っている。









もぐもぐ羊@sleep_sheep2026年1月29日読み始めた文章の連なりを追いかけているうちにどんどん引き込まれて読み進めてしまった。 「プルシアン・ブルー」の最後の方に、人間が滅亡した後に植物が地球を支配する、みたいなことが書いてあったけど、『南洋標本館』(葉山博子著)にも似たようなことが書いてあったのを思い出した。









白玉庵@shfttg2025年12月15日読み終わった好き結局、種村季弘✖️ゼーバルト✖️パワーズ✖️ランティモス➕なにか、なのかなというところに着地した。そんな風にいう意味はないんだけれど、でもこういうものが好きな人にはとてもよい読書になると思う。私も、「チリの円城塔」と紹介して下さった方の一文がきっかけで読んだし。本当に好き。 物理学、化学、数学、天文学、全部まったくもってフワフワのイメージでしか捉えられていないけれど、そんなザ・私立文系でも戸惑うことなく物語世界に没頭できた。語られる映像がクリアで思考と現実を容易に行き来できたからかもしれない。 大きく拡げられた科学と戦争と死の物語が、最終章で静かに小さな夜の箱にしゅっと仕舞われて終わる。しかし箱は不穏でかすかに動いている。美しい展開だった。







gato@wonderword2025年11月20日読み終わった短篇を読み進めるうち、円城塔より初期の宮内悠介寄りかな?いや、これゼーバルトだな。などと思っていたら、あとがきで参考文献に『土星の環』を挙げていてやっぱりかとしたり顔になった。私は『移民たち』に似てるなと思ったけど。 ずっと西洋中心に回っていたお話が最後はチリにフォーカスしていくところはとてもよかったのだけど、説明せずとも伝わっているよ、と言いたくなることが言葉にされており、全体のクールなトーンが最後に損なわれてしまったように感じた。メッセージを誤解されずに届けたい気持ちはわかるのですが。 評伝っぽくなっていく「シュヴァルツシルトの特異点」以降もいいんだけど、「プルシアン・ブルー」の圧縮された歴史の語り方が非常に好みだった。キアラン・カーソン『琥珀捕り』のすべてが死と戦争に繋がっていくバージョンみたいな。あと創作キャラだと思いこんでいたグロタンディークとかがみんな実在する数学者でびっくり。かなり興味が湧いた。



隅田川@202506282025年7月21日読み終わった32頁 「フリッツ・ハーバーが死んだときに彼の手元にあったわずかな持ち物のなかに、亡き妻に宛てて書かれた一通の手紙があった。そのなかで彼は耐えがたい罪悪感を覚えていると打ち明けている。だがそれは、彼がかくも多くの人類の死に直接的、間接的に果たした役割のためではなく、空気から窒素を抽出する自らの方法が地球の自然の均衡をあまりに大きく狂わせてしまった結果、この世界の未来は人類ではなく植物のものになるのではないか、というのもわずか二、三十年で世界の人口が近代以前の水準にまで減少すれば、植物は人類が彼らに遺した過剰な養分を利用して野放図に成長し、地球全体に広がって、ついには地表を完全に覆い尽くし、その恐るべき緑の下であらゆる生命体の息の根を止めてしまうのではないかと恐れていたためであった。」
鈴木宣尚| 本を拾う@honhiroi901252025年3月6日買った読み終わったまた読みたい実在する人物、物理学などベースにした短編集。最後まで読むと連作であることがわかる。科学と情動の描写にぐいぐい引き込まれる。思索に耽る余韻を残す巧さが光る。良い。











































