くもをさがす (河出文庫)

38件の記録
そめ@s_o_m_e2026年5月11日読み終わった書くことで何かに向き合い、自分を奮い立たせる人が書く文章ってのめり込んで読んでしまう。 私だったら病気になったときにここまで向き合えるだろうか? 愛と情とかっこよさに溢れた人だなと思った。友達多くて羨ましい。


うゆ@otameshi_8302026年4月29日読み終わった待望の文庫化! 数多いる作家にはそれぞれそれを書かずにはいられない固有のテーマがひとつずつ(人によっては複数)あるように思う。西加奈子の場合は「自分の体を、自分のものとして取り戻す」。じゃないかな。自分の心を、自分の信じるものを、自分の怒りを、自分の歓びを、自分の欲望を、自分の魂を。 今作は乳がんが見つかってからの日々を書いたものだが、そこはさすがの西加奈子でがっつりと硬派なノンフィクション文学に昇華している。「ノンフィクション」と「ノンフィクション文学」は違う。後者はあくまで作家の手により創作されたもの。書くこと、書かないことは選択されひとつの作品となる。そしてそこでは西加奈子のワンテーマがやはり鳴り響いている。 だが、乳がん治療のなかで、 じゃあその「自分」とは一体何なのか? というもう一歩先の深淵まで進んでしまう。 今作を単行本で読んだXのフォロワーさんが、爆笑しながら手術室に向かうシーンを取り上げていらしたが、確かにそこはひとつの作品的山場で私にとっても忘れられないものとなった。 そしてそのシーンで西加奈子は自分を自分のものとして取り戻す。 私はボニータではない。 私は花子ではないし私はマイケルではないし私はアストリッドではない。 私を私として認識するには、〇〇ではない、☓☓ではない、他者との比較、他者との線引きが必要なのだ。 それは土地に国境を引き時に分断や対立や争いや憎しみを生む壁となると同時に、自分を自分として確立するために不可欠なもの。 絶対に超えられない、共有できない、理解できないものを、この肉体がある限り私たちは内包している。 西加奈子の核は、書かずにはいられない、作家としての存在なのではないかなあと今作を読んで思ってしまった。 いつか彼女が亡くなり、その肉体が消滅しても、その核は彼女の作品のなかに生き続けるのだ。それが作家であるということなんだろう。 ひとことでは纏められない、様々な思いが湧き上がってきてそれが落ち着くことがない。 作中多くの文学作品の引用が出てきて、読みたい本がまた増えました。 そして西加奈子がこれから何を書くのか、待ち続けたいと思います。 私たちには西加奈子がいる!そう思える同世代の作家が、今生きていてくれて本当に良かったと思う。


バナナカプチーノ@bananacappuccino2026年4月28日読み終わった壮絶な闘病記なのに、西さんのユーモア溢れる軽やかで愛情のある文章で惹き込まれました。カナダの人達の会話を和文で関西弁で表現するところが西さんらしい。勇気をもらいました





のぼりおり@noboriori1900年1月1日読み終わった海外でのがん治療という大変な経験でありながら、著者のもつ明るさ、そして家族や友人、医療関係者に対する愛とリスペクトが話を暗くさせずに軽やか。とはいえ、途中で挟まれる身体論的な話など読み応えあり。後半の関西弁ツッコミ連発には笑った。



































