存在しない女たち
存在しない女たち
キャロライン・クリアド・ペレス
キャロライン・クリアド=ペレス
神崎朗子
河出書房新社
2020年11月30日
47件の記録
はな@hana-hitsuji052026年2月12日気になる読みたい「多様性の科学」の中にこの本が出てきた。 性差別の医学史みたいな感じがする。 『男性の被験者を対象としたデータの平均値を、女性にも適用しようとするケースだ。これがどれほと間違っているか…(続』という流れの後に紹介されていて、俄然気になってきている。





プールに降る雨@amewayamanai2026年1月20日読み始めた読んでる読み終わった著者がしゃべってるような文体。時折り、「むかつく」とかくだけた表現もあって小難しい感じではなく、さくさく読める。とにかく数字が出てくる。世の中に蔓延する意識的・無意識的ジェンダーバイアスを数々のデータを用いて示していく。 以下、各章ごとにメモとしてまとめながら読んでいく。 第1部 第1章 除雪作業は車道優先に行われるが、トリップチェイン(短距離の移動を連鎖的に行う移動パターン)が多い女性が利用する歩道は後回し→転倒事故のリスク→医療費増大。 第2章 あらゆる場所で性的暴力の危険に晒される女性。女性用公共トイレの不足→膀胱感染症・尿路感染症のリスク→医療費増大。女性の、公園やジムの利用のしづらさ・女性スポーツへの投資不足→骨粗鬆症のリスク→医療費増大。 女性の安全対策は優先順位を下げられがち。長期的に見ればコスト削減につながるという経済的メリット。 第2部 第3章 無償労働の多くは女性が担う。男性と比べて労働時間が長くなるため、うつ病や不安症などの発症リスクが高くなる。女性はケア労働と両立するため、賃金格差のあるパートタイムで働かざるを得なくなる。不十分な有給出産育児休暇。職場は仕事と余暇しかない身軽な労働者に合わせて設計されている。ケア労働者を可視化し、それに合わせた職場作りをしなければならない。 96ページから引用。“イギリス議会下院では、出産休暇中の女性議員たちは「ペアリング制度」を利用できることになっている。これは、病気や出産休暇や在外などの事情によって採決で投票できない議員と、対立する立場の議員がともに欠席することを取り決める、下院の慣習だ。” なんだこの制度は。しかも、べつに法律ではないので守らなくてもいいらしい。 第4章 実力主義に生じる無意識のバイアス。ブラインド審査によって女性の採用率が上昇。女性より男性のほうが優秀であるという思い込み。学問の世界とプラグラミング業界での事例。女性は自分の知的能力を正しく評価。男性は優れていると自己評価する傾向。求人広告の男性的なコピーを変えたら女性求職者が増加。昇格理由についてデータに基づいた説明責任を課すことで賃金格差是正。 第5章 ヘンリー・ビギンズ(マイフェアレディの教授)効果。女性が男性に合わせるよう強いられる。職場における道具や装備は男性に合わせて作られている。労働衛生における研究格差。女性の化学物質の暴露に関する研究不足。 第6章 プラスチック製品の工場での発がん性物質の暴露。ネイルサロンの労働環境の悪さ。スケジューリングソフト「ジャストインタイム」に振り回される従業員。患者からの暴力に晒される看護師。移民、貧困層、ギグワーカー、パートタイマー、立場が弱くいずれも女性が多い。 第7章 家畜に犂(すき)を引かせる犂耕(りこう)農業と鍬や掘り棒などの手道具を使う耨耕(どうこう)農業。犂を使う社会は性差別があるという仮説。男女の体格差や握力の強さから女性は家畜や大きな農工具を扱うことが難しい。女性が農業に従事していても家事中心なのでデータ上カウントされない。女性の健康が優先されず無公害の調理用ストーブの開発と普及が遅れる。 第8章 大きな手に合わせて作られたピアノの鍵盤とスマホ。女性の声を認識しにくい音声認識ソフト。開発に使用するデータベースにジェンダーギャップ。アルゴリズムの判断に偏見。 第9章 女性起業家の資金調達の困難。投資家を説得するための研究データ不足。パターン認識(ステレオタイプ)により投資家に好まれない。VRでのセクハラ。女性のほうが酔いやすい。車は男性の体格に合わせて作られている。女性の身体にフィットしないため乗り物酔いしやすい。衝突安全テストは男性ダミーが使用される。 第10章 男性の身体が基準の医療。女性の治験参加率が低くデータ不足。実験動物の雌雄にも差。性差を考慮しない治療。 第11章 イエントル症候群(女性の病気は男性のそれと一致しないと誤った治療を受ける可能性がある)。 第12章 経済が宗教ならGDPは神。GDPは主観的で不確定要素が多い。無償労働は除外。保育・介護などの公共サービス=社会インフラへの投資→女性の雇用増加→経済成長。無償労働は選択ではなくシステムの問題。 第13章 性差によって不均衡が生まれる税制。米国、夫婦で収入を合算して申告する場合、収入が少ないほうの税率が単独で申告するより高くなる。日本の103万の壁。 第14章 女性が権力を持つことは受け入れられない。自分が普通だと思う、素朴実在論理、投影バイアスによる男性中心主義の強化。英、AWS(女性だけの候補者リスト)を総選挙に導入。各選挙区における党内選挙で女性を選出、女性議員増加。野心的、話を遮る、ヒステリックと揶揄される女性。 第15章 災害復興。キッチンのない家。国連安保理決議第1325号。「国連のあらゆる平和と安全の取り組みにおいて、女性の参加を増やし、ジェンダーの視点を取り入れることをすべての関係者に求める」 第16章 紛争地、被災地での性的暴行。パンデミックにおける女性の感染リスクの高さ。
しめじ@aki_1252025年11月1日読み終わったすごく興味深くて、勉強になることばかりだった。いかに男性基準で社会が形成されているか。人類の半分は女性なのに、男性の劣化版として排除されてきてばかりいるこの世界を、どう変えていけるのかは、やっぱり女性が声をあげていかないといけないし、男性はそれを役に立たないとか思わずに聞いて欲しいよね。 薬の効く・効かないや、病気の症状についても男女の違いがあるって知らなくて。そのせいで死んでいく命があるなんて、やるせなさすぎる。

ユウキ@sonidori7772025年10月18日読み終わった借りてきた総称語は総称語であるにもかかわらず男性がイメージされるという話から、全てが男性基準にデザインされた世界の構造を紐解いて行く。 「世界はあなたを傷つけないようにはデザインされていない」はジェーン・スーの名言だけど、世界は女性が存在しない前提で作られているのだな…とため息がでる。 医療でさえ、女性の身体はホルモンバランス等で複雑であるため、男性のデータをメインに作られていき、なおかつ女性の痛みは軽視され誤診に繋がる。 政治や職場、生活において、女性のデータをとらないことで存在を消し、それが社会構造となる悪循環に加え、女性が受ける性暴力や無給労働などの搾取が当たり前となっている世界の異常さに、男性こそが気付いて欲しい。
























































