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ハヤシKYヘイ
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@heiheikyo1
きょうへい、と読みます。小説、ミュージカル、おいしいものが好きです。NYブロードウェイ観劇ひとり旅を決行、日記本にまとめたのが2024年ハイライト!/『姉参り・イン・ニューヨーク』
  • 2026年4月13日
    人恋しくて女性用風俗に行ったあとで考えたお金とケアと欲望のこと
    自分の欲望とこんなに向き合えるのか…とすごみに圧倒された。同時に、自己について「書くこと」とこんなにも向き合えるのか、とも。著者が以前にたしか中央公論の雑誌で雨宮まみさんのことを振り返る鼎談をされていたのを覚えていたのもあり、雨宮まみさんのことを連想した。 能町みね子さんが著書の『結婚の奴』で雨宮さんのことを書いていたのが非常に印象的だけど、「いつか(過激な起伏がなくなって平凡な人生になって)つまらなくなって、書くことがなくなるのがゴール」みたいのを笑って言い合っていたのに、そんな最後なんてないよ…と回想していたところがあった。「書くことの面白さ」と「自分を切り売りする危うさ」というのは、切り離せないものみたいで、作家さんがどうそこに攻め入っていくのか、というのはやはりどうしても興味を引き、同時にとてもハラハラして、余計な心配をしてしまう。本書を夢中で読んでしまったのは間違いない。 また、風俗ビジネスや推し文化という題材を通して、金銭を介した他者との交流・消費のシーソーみたいなところに迫っていたのも心に残る。それはやはり同時に「他者について書く」ことの暴力性の話にもなり、他者との関係が完全な「対等」になることって現実的に不可能なんじゃないかと思えてきて、怖くなった。不可能だからこそ、少しでも対等であろうと、常に色々考えることをやめないようにしようね、ということなのかもしれない。
  • 2026年4月6日
    女の子たち風船爆弾をつくる
    1935年、都内の女子小学生と思われる「わたし」という主語の語りが始まる。 「わたしは、姉と、母と、あるいは、お手伝いの子と、買い物へ行く。」 という感じの文体で、特定の個人ではなく複数の人間の総体として、戦前、戦中、戦後の時代を眺めていく。膨大な数の注がつけられ、kindleで読んだのだけど後ろ12%は参考文献の羅列に終始していてびっくりした。淡々と事実が並んでいき、実際の証言に基づく人の声が、戦争へと向かう時代を浮かび上がらせる。 少女たちのあこがれの的だった東京宝塚劇場はある時を境に、国によって秘密裏に開発された風船爆弾の製造工場となり、少女たちは様々なことを隠されたまま協力させられていたのだった。並行して宝塚歌劇団の団員が海外をまわった記録や、戦争の進行状況が記される。個人的に知らない事実がいくつもあり、自分の無知を恥じた。同時に、意識的に語り継いでいくイメージを持たないと、悲しみも、自国の過去の戦争責任もたやすく忘れ去られてしまうということを再認識させられた。 「わたしは、男だったらよかった。あるいは、わたしは、そんなことは考えない。」という印象的なフレーズが、何度も繰り返される。ジェンダーの不均衡が、戦時下において、よりいっそういびつな形で表出する。 本書で語られる、戦争を取り巻く情勢の変化が、今現在の世界の悲痛さとリンクしているように感じられ、なぜ人は過去に学べないのだと、悲しくなる。同時に、他人事にせず、冷笑的にならず、個々人の選択や行動の積み重ねで平和を作り上げるしかないのだということを、あらためて覚えておこうと思った。
  • 2026年3月21日
    プレイ・ダイアリー
    役者の「私」が、次に舞台で演じることになっている「菜月ちゃん」という役の半生を振り返りながら、役作りを進めて演劇本番当日へと向かっていく日記が書かれる。 菜月ちゃんは、母親と小学校の先生から「女の子は笑顔でいた方がいいよ」と言われた。その言葉が顔に張りつき、同級生の葬式でも「笑っているように見えた」と他者に言われてしまう。会社を休むようになった菜月ちゃん。母親に勝手に一人暮らしの家を解約され引越しを強制されそうになった菜月ちゃん。街中で男の人にぶつかった時の感覚が忘れられず、やがて男を対象とした「ぶつかり女」となっていき、行方知れずとなった菜月ちゃん。 「私」が菜月ちゃんという役へと近づく上で、女という社会的属性が鍵になっていくことが想起される。稽古場での男性俳優との議論において男側が、日常的にジェンダーに対して無自覚でいられることが浮かび上がる流れは、ありそう、という温度感で印象に残った。 それでも役作りに苦戦する「私」がある日、駅でぶつかり男に遭うシーンはかなりスリリングだった。ぶつかり男に対して思わず溢れた言葉の数々は、期せずしてぶつかり男の心情にシンクロしていく感覚を「私」にもたらした。ぶつかり男の心情を経由して、「ぶつかり女」にならざるを得なかった菜月ちゃんへと、「私」はさらに肉薄していく。 日記の形式で断片的な情報から類推せざるを得ない冒頭は読むのに集中を要したが、後半はガーっと一気読みしてしまった。面白かった。
  • 2026年3月10日
    今世紀最大の理不尽 それでも、結婚がしたかった
    2度の離婚を経ての3度目の結婚を考える筆者。過去2回、夫となる人の苗字へと女側が変えるという形をとってきたし、日本ではそういうパターンが圧倒的に多い。 離婚する時には、配偶者の姓をそのまま名乗るか旧姓に戻すかを選べ、離婚後3カ月を過ぎると、通常の届出とは別の家庭裁判所での申請が必要となるらしい。2回目の離婚の際に、忙しい日々で諸々の手続きが後回しになってしまっていた筆者が、なんとか裁判所の許可書を役所に持っていき手続きしようとした。そしてその日のちょうど前日に、法律が改正され、ふりがなが足りなくて受理されない、ということがあったそうだ。 そもそも結婚で姓が変わるたびに身分証明書や銀行口座などいくつもの手続きを乗り越えねばならなかったのに、挙げ句の果てにこんな「理不尽」があるとは。 日本における結婚と戸籍の制度とそれにまつわるジェンダー不平等を象徴するような、筆者のエピソードは強烈だった。 一方の足を踏みつけにして成り立っているような現制度を見直し、「選択的」夫婦別姓で平等にしよう、という至極真っ当で穏当な主張さえ通らないこの国において、同性婚とかマイノリティの権利保障なんていつになるやらと、気が遠くなって気絶しそうになる。 一部の人に不便・不都合を押し付けたままの構造に頼ってまで守りたい既得権益ってなんなんだ〜。 筆者が過去の恋愛や結婚を振り返ったり、現在のパートナーとの関係性を大切にしようと色々模索したり、相手の姓になるでもなく自分の旧姓を相手に押し付けるでもなく法律婚へ到達する打開策を打ち出す展開など、色んな思考の格闘が見られて、面白い本でした。
  • 2026年3月7日
    破果
    破果
    60代女性の殺し屋が主人公となる韓国の小説がある。その情報だけですごく気になって記憶に残りつつ未読だった。そんな作品がミュージカル化し、日本で上演されるらしい。しかも主役を演じるのはあの、花總まり。 舞台俳優・花總まりといえば、日本で長らく人気のミュージカル演目『エリザベート』だ。私も大好きで、帝国劇場で彼女の歌を聴けた時は感無量だった。絶世の美貌を誇る皇后をずっと演じてきた花總さんが、ここにきて老齢の殺し屋を? 観に行くしかない! ミュージカル『破果』のチケットをなんとか入手し、観劇を来週に控えている。 予習として怒涛の勢いで原作小説『破果』を読み、面白くて夢中で完走した。 苛烈な競争社会であり、家父長制的な価値観が強いとされる韓国において、老人であり、女性であり、家庭を持っていない主人公・爪角(チョガク)は本来、弱者性を象徴するはずの存在だ。そんな彼女が殺し屋を生業とし、エージェンシーから斡旋される仕事を請けて、ターゲットとなる人間(それは彼女より若い、男性であることが多い)を消して生計を立てている。設定だけですでに、韓国の社会構造を皮肉っているような気さえして、読みどころとなる。 姉とたくさんの妹と末っ子の弟がいて貧しかった生家から、口減らし的に裕福な親戚の家へと奉公に出たような爪角の生い立ちも、儒教思想から男児を授かるまで子を産むものだとする人が多かったという時代背景がにじむ。やがて彼女は奉公先からも出て行かざるを得なくなり、裏社会で金を稼ぐリュウという男と出会い、殺し屋家業へと身を投じていく。命を奪い奪われるかもしれない弱肉強食の極まる世界で、守るべき大切な存在を作ってはいけないというのが、爪角のルールだった。 老齢となり、いつまで殺し屋を続けられるのか。爪角が日々巡らせる思考は、今日の資本主義にもとづく競争社会を生きる我々の不安にも通じる。 飼っている老犬の無用(ムヨン)や、ある仕事で負傷した爪角の手当てをしてくれたカン博士との出会いがあり、独りで生きていくと決めていたはずの爪角が、他者やその大切にする別の他者を、思いやる気持ちを自覚していく。 そうして、過去の因縁から彼女を狙う別の殺し屋が接近してきて、スリル満点のアクションへと突入する終盤は手に汗を握った。 小説版のラストのシーンがとても好きだった。ミュージカル版はどうなるだろうか。たいへん楽しみです。
  • 2026年2月17日
    かわいい中年
    かわいい中年
    「私、弁当に目のピントを合わせるために、メガネ外してるんですよ」 から始まるような雑談。終始おもしろい。体のちょっとした不調も、人間関係の話も、一緒に面白がりながらあれこれ話せる感じが、理想の中年という感じだ。 結婚とか子供とか、既定ルートの大人像にハマれないとモヤモヤしていた二十代の時に、三十代だったこの三人の面白さに出会い、救われた思いだった。気づけばウォッチし続け十年を超える。ちょっと先の人生に光をさしてくれる、灯台のような存在。
  • 2026年2月17日
    そいつはほんとに敵なのか
    自分もなにかと他者を敵認定しがちなところがあるので、考えを点検してほぐしていくような文章が読んでいて面白かった。 参政党支持の人にインタビューするところが、当初勝手に想像していたのより遥かに穏やかで、相容れない考えの他者を切り離しがちな自分を反省した。 あと、パートナーとマリオカートで遊んでいるうちに筆者が機嫌を損ねるシーンのようなことって、なんとなく身に覚えがある。筆者は少し時間を置いて詫びつつ、関係性にまつわる自分の要望を相手に伝えていて、すごいと思った。 自分だったら、相容れない考えを持つ他者と歩調を合わせるには、自分を押し留めて相手に合わせる一辺倒で、結果最終的に破綻してしまう、ということばかりだった。自分を出しつつ、相手も尊重しつつ、歩み寄るやり方を、少しずつ勉強していきたい。
  • 2026年2月17日
    熊はどこにいるの
    自然を美しく描写する、静かな文章が印象的だった。提示されていく事実に衝撃を受けつつ、人物に関する情報は少ない。気が抜けず、だからこそ文に引き込まれた。 本当に大事なことは小声で言うようにすると、その方が、相手は注意深く聴いてくれる、という誰かの格言みたいのを思い出した。
  • 2026年2月11日
    粉瘤息子都落ち択
    自分が30になってコロナ禍になったタイミングで会社を休んで、しばらく実家に帰っていた時のことを思い出した。人がまったくいない東京駅からくだりの新幹線に乗る時、音楽を聴いていたかどうか、さだかではない。けれどあの時の自分に対して、本書の主人公よろしく宇多田ヒカルの『traveling』を聴いて「何も怖くないモード」になれと、声をかけてあげたいと思った。
  • 2026年2月7日
    グレタ・ニンプ
    表題作も面白かったけど、巻末のバレンタイン短編が自意識アクセル全開といった感じで最高だった。
  • 2026年1月24日
    くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話 (シリーズ3/4)
    カルチャーラジオ・アトロクにて、ラップユニット・チェルミコのレイチェルさんが紹介していて気になった本。著者のお名前「ヤマザキOKコンピュータ」さんって、声に出して読みたい日本語すぎるだろ。即買い、即読み。 私個人は、会社の退職金的なものをiDeCoなるサービスでやることにしたから、お前ら好きなの選べ、って言われるがままに資産運用ライフが始まった感じだった。また、周りの友達がやってるからやったほうがいいのか……と見よう見まねでNISAについても調べたりしていたが、いまいち腹落ちしないというか、ずっとようわからんままだった。 まず、最初にこの本を読むことから始めさせてもらいたかった!というくらいわかりやすい本だった。なぜiDeCoやNISAが盛んに勧められているのか、その前提の背景事情がやっと腑に落ちた気がした。 また「儲かる財テク!」みたいのでもなく、パンクスとして音楽活動をする著者が、好きなことをして友達と楽しく過ごす生活を維持するため、そして社会がよくなるよう自分が働きかけることができる方法として、投資を捉えており、その考えがいいと思った。 著者は、会社員であくせく働くよりも、必要最低限のお金を確保して豊かに生きていける今がいい、というように語る。全編の書きぶりから、著者の本心だろうしいいなとも思う。のだが、そりゃそうだろうけど……自分にすぐ応用できるかというとそんなうまい話でもないからな……と遠い目になる。まあ極端な捉え方はしなくてもよく、少しずつ知識を、持続可能なお金の運用の仕方を、そして自分がお金を使いたい好きなことってなんだろうと、日ごろから考えておくことが大事なんだと、前向きに思えた。面白かった〜。
  • 2025年12月31日
    YABUNONAKA-ヤブノナカー
    【2025ベスト3振り返り】 出版業界での性加害の告発をめぐる長編小説。告発される50代男性編集者の視点から始まり、40代の女性作家、30代の男性編集者、告発をした30代女性、女性作家の20代の恋人男性、・・・と様々な属性の関係者の視点が入れ変わって物語が進む。まさに芥川龍之介の『藪の中』のように、角度が変わることで見えてくる展開に目が離せない。あと純粋に一文一文が面白すぎるので、あっという間に読み切った。 私は個人的に、時代が進んで社会が「正しい」方向に進んでいくことを願っているが、自分の正義に「反する」ような、話を聞いてくれそうもない人というか、遠くを見ている人とどう対話していけばいいのか、よくわからないと以前より思っていた。『YABUNONAKA』を読むと、様々な性別・年齢・立場の語りが入れ替わっていき、それぞれの見え方を怒涛の勢いの語りとともに疑似体験できる。だからこそ余計に読後は混迷を深めるのだけど、足元も不確かな暗闇をおっかなびっくり進んでいるのは自分だけではないのだと、少し思える。もちろん、加害や権力による搾取は許されないという前提は、強調しておきたいが。 そして、40代女性作家・長岡友梨奈の章に出てくる「悪のような正義感」というワードが心に残った。自分の信じる正義に照らして「こうあるべきだ」と考える中で、他者に対して狭量になったり、糾弾したくなる気持ちが出てくるのは、身に覚えがある。どんどん暴走していく長岡の姿が滑稽だと思う場面もあれば、自分にも同じようなところがあるかも、とヒヤヒヤすることにもなる。また性加害の告発を受けた年上男性のことを言い募る長岡友梨奈の、年下恋人の男性視点の章では、あれ、でも知り合った頃の彼は大学生で長岡はその時講師だったわけだけどそれはいいんだっけ、みたいに思えてくる構図も差し込まれたりして、気が抜けなかった。
  • 2025年12月31日
    その<男らしさ>はどこからきたの?
    【2025ベスト3振り返り】 色々な広告の事例を採集して「男らしさ」という観点からツッコミを入れる本。有名な栄養ドリンクの「24時間戦えますか?」のキャッチコピーだったり、働く人として「高層ビル群を背にしたスーツ姿の男」が多用されたり、広告が、日本の世相を表してきた歴史をひも解く構成になっていて面白い。 特に、過度な大谷翔平依存型の最近の広告トレンドを指摘しているところがよかった。いわく、化粧品の広告における大谷翔平への照明のあて方が、平等院鳳凰堂の阿弥陀如来像のライティングとほとんど一緒だ、とのこと。大谷はなんでもできる人の象徴として、もはや神仏のようにもてはやされているのだ。疫病が流行り混迷を極める時代において、人々は大仏を建てるし、大谷翔平にすがりつく。
  • 2025年12月31日
    羽田圭介、家を買う。
    【2025ベスト3振り返り】 小説家の羽田さんがこれまでの住宅遍歴も、収入や資産運用や仕事の実情や物件購入価格なんかもすべて赤裸々に書いた本。 個人的に、一人暮らしのアパートを違う街へと引っ越ししたいな~とか調べ出して都内の物件の値上がり具合に絶望していったん引っ越しをあきらめた時期に、本作を読んだ。羽田さんが芥川賞受賞後、テレビのバラエティーに出だして以降の、都心部のタワマンや戸建ての物件を転々と住み替えていくあたりの派手な金銭感覚のダイナミックさが楽しく、アミューズメントとして面白かった。爽快。稼いでる人には、派手に金を使っていてほしい。
  • 2025年12月23日
    君のクイズ
  • 2025年12月20日
    水車小屋のネネ
    水車小屋のネネ
  • 2025年12月20日
    まだまだ大人になれません
  • 2025年11月29日
    遺された者たちへ
    遺された者たちへ
  • 2025年11月13日
    自分以外全員他人
  • 2025年10月23日
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