砂の女(新潮文庫)

12件の記録
- たま子@tama_co_co2025年7月6日読み終わった暑い。まとわりつく砂と熱気と乾燥。心までカサカサ干上がって、だけど時に艶かしく。緊張で手に汗握り心臓をバクバクさせ、希望と落胆を繰り返してもうくたくた。人生というものの、相も変わらぬ労働と反復の日々への絶望と孤独と…ささやかな充足。
- -ゞ-@bunkobonsuki2025年7月5日文学者の中で最初にワープロを使ったとされるほど、テクノロジーに関心を寄せていた作家、安部公房。「砂の女」は、彼の代表作である。 本作で安部公房は表現に対する貪欲な姿勢を見せる。物語の最後には「主人公はいまだに見つかっていない」という事実を、公的文書の体裁を用いて表現している。たった二枚の文書だけで、作品そのものの印象を際立つものにした。 安部公房は多彩な比喩が世界的作家の所以とされるが、その根幹には、文章にとどまらない表現自体に対する造形の深さがある。