射手座の香る夏 (創元SF文庫)

24件の記録
みかん猫@choma2026年8月11日読み終わった著者の短編推理小説が良かったので、唯一の単行本であるこちらも読んでみた。SF短編集。すごく良かった。SFとしての題材やセンスはもちろん、どの話も切ない余韻が残る。意識を転送して動物に乗る「動物乗り」が新たなコミュニケーション能力に気づく表題作、15歳になると「生まれてきたことをなかったことにする」選択権が与えられる『15歳までは神のうち』など、一見よくあるテーマを新鮮なアイデアで描いている。デビューして間もない作家のようで、これからの作品も楽しみ。

ごとー@ptk5102026年7月29日読み終わった動物への意識転送技術、時間遡行中絶薬、ゾンビと仮想空間…と個性の光るSF要素が目立ちつつ、幻想やジュブナイル的な雰囲気も強くて「今かなり純文芸を読んでいる!」と感じられる短編集。 作品全体に夏が漂いながらもまばゆいばかりじゃない、暗がりがある夏なのも良い。 小島秀夫監督が言及していた「15までは神のうち」も抜群に面白かったけど「さよなら、スチールヘッド」の中の対照的な情景が特に好き。永遠に夏が続く仮想空間と、パンデミックで滅びかける世界の血と土埃感。






土田(つちだ)@chappa_61T2026年7月26日読み終わった喪失の苦みが共通する4編が収録されたSF短編集。「十五までは神のうち」が一番刺さった。成長痛と呼ぶには代償が大きすぎる。 「きっと、と彼女は確信した。この瞬間は自分にとっての永遠になるだろう。」(「射手座の香る夏」より) 「『友情なんて、脆いものよ』 目を伏せて、吐き捨てるように女が言った。あるいは、自分に言い聞かせただけかもしれない。 『バカじゃないの』わたしは笑った。『だから、行くんでしょ』」(「射手座の香る夏」より) 「あの頃、ぼくたちはほんの子供で、そしてきっと、神様だった。」(「十五までは神のうち」より) 「人間だけが、人間であることに特別な意味を見出そうとする。」(「さよなら、スチールヘッド」より) 「東の高台に聳える鐘楼を見たとき、あたしは思った。今よりも特別な瞬間は、きっともう訪れない。今のこの瞬間が、あたしの人生のてっぺんだ。」(「影たちのいたところ」より)



ブックスエコーロケーション@books-echolocation2026年7月6日新刊入荷@ ブックスエコーロケーションブックスエコーロケーション、7月6日(月)open。11‐19時。 松樹凛『射手座の香る夏』創元SF文庫 忘れがたい余韻を残す傑作時間SF「十五までは神のうち」をはじめ、第12回創元SF短編賞受賞の表題作を含む全4編を収録。青春のきらめきと痛みのすべてを閉じ込めた、珠玉のデビュー短編集が文庫化。


ぶんか遺産@bunkasremains2026年7月5日読み終わった非常に良質な青春SFだった。青少年期の青臭さに特に焦点を当てている一方で、結末の爽快さたるや。 また、SF設定も面白い。動物などに意識を移すことが可能な表題作、自分の存在を抹消できる「十五までは神のうち」、生きた影を身体に宿す「影たちのいたところ」、どれも素晴らしいけれど、個人的なお気に入りは「さよなら、スチールヘッド」。人間と人工知能の関係も面白かった。 さらに付け加えるならば、この作家は身体感覚への意識に特筆すべきところがある。「スチールヘッド」では、身体を持たず、自己の全てを把握・支配できるはずの人工知能が「ままならない身体への嫌悪」を抱くという、なかなか面白い設定と描き方だった。













