「イスラエル人」の世界観

10件の記録
- 読書日和@miou-books2025年9月10日読み終わった読む前、私は今の状況を「ジェノサイド」としか思えず、嫌悪感を抱いていた。ホロコーストを題材にした映画『関心領域」すら観たくない、と思うほどに。(冷静になれなかった) 本書を通して見えてきたのは、ユダヤ人の論理「ここは約束の地であり、占領ではなく帰だ」という視点と弱く追われる側だった太古の記憶。 そして、ガザの子どもたちが遺体となって冷蔵庫に並ぶ一方で、そのほんの近くでイスラエルの子どもたちがアイスクリームを食べているという、あまりに残酷な日常の落差。 なんで平気でいられるの?著者も疑問を投げかけるけれど、私も全く理解できなかった。 兵役を終えた兵士たちが「光と闇」の記憶とどう折り合いをつけるのか。平和教育を絶たれた世代が、いま極右政権を支えていること。ホロコースト、「被害者であること」を手放せないまま、衝突し続けていること。どの場面も胸に重く残った。 読み終えても、「プロ・ピース」と言える境地には正直まだ届かない。嫌悪や無力感がむしろ強まった部分もある。けれど、娘を失った父エルハナン氏の「親イスラエルでも親パレスチナでもなく、プロ・ピースであってほしい」という言葉には揺さぶられた。 私自身はまだそこにたどり着けていない。けれど、それでも平和を願う気持ちを手放さないこと。それが、今の私にできる精一杯のことなのかも。
- 440@teshi4402025年8月29日読み終わったゴリゴリの専門家ではなくジャーナリストとして取材した記録からイスラエルがよく見える。 イスラエル関係の取材を一緒にした先輩から「反対側にダイブすること」の大切さを教わり身に沁みている。
- 糸太@itota-tboyt52025年8月8日読み終わったテルアビブ大学のダニエル・バルタル氏の言葉として、紛争など惨状のなかにある人々に共通する3つの心理的要素が語られている。 「道徳からの乖離」と「道徳的な権利」と「道徳的な沈黙」。 自然な感情として、どれも当たり前に頷けるものばかりだ。でもこうした気持ちを一度棚置きし、冷静に捉え直す態度こそが、負のループを断ち切る可能性を秘めているのだろう。ヒントは「対話」であり、「物語」でもある。 今年は戦後80年である。単に過去を振り返るだけではなく、ガザの現状と地続きに考える視点を失わずにいたい。