火山のふもとで(新潮文庫)

71件の記録
noa@noa33732026年9月15日買った季刊紙『考える人』をよく読んでいた時の編集長が松家さんだった。 2008年冬号の特集が「さようなら、こんにちは 河合隼雄さん」で、松家さんの編集後記「河合さんの庭」は、奈良の住まいの庭先での河合さんを想像したり、編集者として心配りが足らなかったことに亡くなってから初めて気づいた後悔を、冗談の名人だった河合さんへの懐かしみを、微温の言葉で書いていた。 淡々と丁寧な言葉に静かに浸されていく。その浸され具合が悲しみでも穏やかに味わっている。 未読の単行本もあるのに、文庫本も買ってしまった。松家さんが作家になったことの必要にまずは自分を澄まして。 「Plain living & high thinking(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」








いるかれもん@reads-dolphin2026年9月10日読み終わった再読再読。ブックカバーを外してしまったので若干傷んでしまったけれど、その分手に馴染んだ感じがする。 やっぱりこの本は特別な一冊。 読みながら思わずため息とともに顔を上げてしまうような場面がたくさんあるけれど、とても短くまとめられるようなものじゃない。 「名文」「名言」ではなくて、段落や数ページ単位で書き写したくなる文章が松家さんには多い。ゆっくり、時間をかけて読まないとなかなかこの本を味わい尽くすことはできないと思う。そして、やはりこの文章に憧れてしまう。絶対書けないけれど。それっぽい言葉で読者を煙に巻かず、具体的で明晰で、そしてありふれた言葉で綴られた文章。きっと、一言一句気を抜かずに書かれたのではないかと思う。でも、そんな力身や苦労を全く感じさせない柔らかく、透明で、作品世界と調和するような爽やかな風のような文章と物語。 読み返して思ったのは、軽井沢の高原の空気、若い男女の新鮮な恋愛模様など、とても爽やかな小説だと感じた。初めて読んだ時よりも、自然、建築、人物の一つ一つの描写を丁寧に読み進めた。特に人物の描写について、(結末を知っているからかもしれないけれど)雪子が作品世界と調和したとても魅力的な女性として描かれていることに気がついた。終盤、先生の手紙を読んだときには少し涙が出そうにもなった。 昨日の朝、電車の中で読み終えたものの、まだこの作品世界に浸っていて、他の本は読む気にならない。それくらい幸せ。改めてこの本に出会えたことが幸運だと思う。またどこかで読み返すだろう。
flyingv.jp@flyingv2026年9月4日読み終わった札幌の山裾で育った私は、就職で初めて実家を離れ、北関東の海沿いに住んだのだけれど、当時ドライブで住まい周辺の山間部を通るたびに、緑が濃すぎて違和感を感じてた。 初めて碓氷峠から軽井沢に入ったとき、とても親近感のある風景が眼前に広がって驚いたのを覚えている。 その時に、私が山の緑を本当に好きなこと、そしてそれは厳しい冬の季節を持つ山のそれであることを知った。 それからはまとまった休みがあるとよく信州に足を運んでいる。 静かに進む物語が、しっかりとした冬を持つ山裾の季節の移ろいとリンクするのを楽しむ。私はこういう、派手なドラマがない小説が好きなのだな、と改めて思う。 風景を描く文章はとてもとても美しく、愛おしい。 実家を離れて30余年、なぜかずっと海沿いに住んできた(マリンスポーツはしないのに 笑)けれど、人生の終盤は山のふもとに住みたいな。
ア@zeight_62026年5月3日読み終わったこの本とその周辺のことをおもいだして、何度もくすぐったく、恋しくなるとおもう。はじめてひとと手をとって、並んでまるで歩きながら本を読んだ。 この本の中にはすきなひとたちがたくさんいて、すきな建築が植物が、手触りがたくさんあった。この寒いくらいの夏に何度でも戻ってこられる。

せた@setaseta192026年1月1日読み終わった「すべてが 美しい。」というコピーに惹かれて。 読んでよかった! 静謐でシンプル、でも突き放されているような感覚はなく、そっと触れてしっとり沈み込んでいく心地。 自分が求める豊かさがこういうものだったらいいな、と思った。 夏の家、飛鳥山教会、現代図書館、藤沢さんの農園…建物や土地の描写を三度四度繰り返しなぞりながら想像する、なんて贅沢な時間の使い方。 …というような、この本を読んでいる自分に酔っているな、という俗っぽい瞬間をたくさん自覚したけど、私が読書体験に求める一つはそれなんだろうな。



みやちゃん@reads-miyachan2025年12月9日読み終わった『ひとりでいられる自由というのは、これはゆるがせにできない大切なものだね。こどもにとっても同じことだ。本を読んでいるあいだは、ふだん属する社会や家族から離れて、本の世界に迎えられる。だから本を読むのは、孤独であって孤独でないんだ。子どもがそのことを自分で発見できたら、行きていくためのひとつのよりどころになる。』




hiroko@hiro__ys2025年8月29日読み終わったとっても好きだった。「すべてが美しい」という帯の言葉がまさに言い表している。ひとつひとつの文章が美しくて心地よくて、夏の穏やかな風が常に吹き抜けるようだった。夏に読むのが本当にぴったり!新潮文庫の品のある手触りで読めるってところもまた良い。
村雨菊@carameltomato2025年6月18日読み終わったかたち、色、音、肌触り、香り、味などあらゆる感覚を細部に渡って描写することで浮かび上がる世界。もはや読書セラピー。都合の良い美女二人の間で揺れる恋愛パートは苦手でした。
Lusna@Estrella2025年3月31日読み終わったアスプルンドの夏の家が物語の夏の家と重なる。図書館にいるかのような静謐な文体であるが、モーツァルト、バッハ、シューベルトなどの音楽に森の野鳥の囀りが混じるような華やかさがあった。




















































