満月が欠けている

36件の記録
- ゾウのパオパオ@paopao2025年7月27日読み終わった語り口が淡々としてて読みやすかった 緑内障について本人の口から、対談から、短歌から知ることができた 「生きる」と「生きのびる」の話がなるほどな〜と思った あと表紙の紙がラメ入ってキラキラしてて嬉しい
- 読書猫@bookcat2025年7月26日読み終わった(本文抜粋) "緑内障で失明するかもしれないと思ったら、恐怖のランキングが入れ替わったんですよね。「目が見えるうちにもっと書こう」という気持ちになって、文筆業一本で生活することを決めました。" "春日武彦 ……精神を病むと、機が熟すのを待つだけの余裕が失われてしまうんです。「待てば海路の日和あり」と鷹揚に構えてみるとか、せめて可能な範囲で準備を整えるとか、ちょっと方向性を変えてみるとかの「ゆとり」がなくなってしまう。あたかも無駄とか回り道のように見えるプロセスの必要性を患者さんは信じられなくなる。" "私たちはふだん、生をノーマル状態、死を一種の非常事態のように捉えていますが、実際は逆なのではないかということです。死の大海の上にかろうじて浮かんでいる木切れのような生のイメージです。むしろ生のほうが例外的な事態なんじゃないか。" "私が表現をする際に、大事にしている概念が「ワンダー」と「シンパシー」です。ワンダーとは「驚異」。「こんなの初めて!」みたいなことを指します。 一方、シンパシーは「共感」を意味します。「それ、分かる!」って感覚ですね。これらのうちどちらに引き寄せられるかには個人差があり、時代状況も影響を与えます。また、その人の年齢によっても変わってきます。" "多くの人が死ぬ時に後悔するのは生きのびることに資源を割き過ぎたということなんですね。「もっと純粋に生きることに熱中すれば良かった」と思う。でも、死ぬまでの時間を何十年も引き延ばされてしまうと、生きのびることの強制力のほうがどうしても強くなってしまうんです。".