カフェーの帰り道

164件の記録
綾鷹@ayataka2026年6月30日時代を映す鏡であった仕事「女給」を通し、 大正から昭和を生きた市井の女性の人生を描き出す。 東京・上野の片隅にある、あまり流行っていない「カフェー西行」。食堂や喫茶も兼ねた近隣住民の憩いの場には、客をもてなす個性豊かな女給がいた。竹久夢二風の化粧で注目を集めるタイ子、小説修業が上手くいかず焦るセイ、嘘つきだが面倒見のいい美登里を、大胆な嘘で驚かせる年上の新米・園子。彼女たちは「西行」で朗らかに働き、それぞれの道を見つけて去って行ったが……。大正から昭和にかけ、女給として働いた“百年前のわたしたちの物語”。 短編が5つ。同じカフェー西行で働く、それぞれ別の女給の物語。 どの登場人物も、女性として懸命に働いて生きる姿が魅力的だった。 「出戻りセイ」「タイ子の昔」が特に好き。 女性だからと制限がある世の中で働く悲憤、戦争へ向かう男性に対して残される女性の焦燥...でも最後はみんなで支え合って前を向いていく強さと明るさを感じられる本だった。 ・何で女給を続けるのか。女給の恰好が好きだから、という以外の答えが思い当たらず、セイに嘘をついてまでして誤魔化したこともあったが、人に見られたいという気持ちが、自分にもたしかにある。見られることで、自分という存在を、誰かに知ってもらいたかったのだ。今のいままで気づかなかったけれど。 自分を人の目の中に置きたいという欲は、きっとセイにも、嘉代にもある。昇降機ガールた ちにだって、あるにちがいない。 田端方面に向かいながら、美登里は、自分の銘仙を見下ろした。浅葱色の地に議色の気続は、何年も着ているから生地がくたびれているが、よく身体に馴染んで、我ながら着こなせていると思う。 前後に人はおらず、誰に見られているわけでもないが、美登里は目一杯背筋を伸ばして、店でいつもそうしているように澄まして歩いた。 ・昭和十四年に出征した向井は、二年後に戻ってきた。その頃、カフェーへの規制はますます厳しくなり、カフェーアウグイステヌスは「喫茶西行」へと正式に名前を変え、女給はセイと明子だけになった。 帰還後の向井とセイは店の外でも頻繁に会うようになり、二人で長い時間を過ごした。向井 はセイの書いた小説らしきものを繰り返し読んでは「俺の厚かましさもかなりのものだな」と笑い、「自分のことを読むのは妙な気分だが、こうしてみると俺もなかなか味わい深い人物と思える」と、満足げに童顔をほころばせた。 それからさらに二年が過ぎた昭和十八年、向井はふたたび召集され、二度とは帰ってこなかった。 ・何でもないような毎日を、何とも思わずに暮らしてきたが、振り返れば、眠なことが一つもなかった。座布団の対角線とちょうど同じ大きさで寝転がっていた赤子のころから、見上げるほど逞しくなるまで、ずっと静かに、タイ子の傍らにいた息子だった。 それがいなくなった。兵隊にとられてしまった。 どうして戦争をしているのか、タイ子にはよくわからない。わからなすぎて、不平不満は抱いていない。新聞に満州という文字を見つけたときだけ、字引と首っ引きで必死に読む。 もう何年も食糧も物も乏しいし、化粧するのさえ憚られて不自由はあるが、そんなことはどうでもよかった。ただ豪一が帰ってきてくれればそれでいい。豪一さえ無事ならば、家が焼けようが日本が敗けようが、たいした問題ではないのだ。 ・豪一は、果たして恋をしたことがあるのだろうか。いわらしご来なしいない。 どうか、そうであってほしいと思った。 相手と心を通わせたときの胸の高鳴りを、偶然手と手が触れ合ったときの温もりを、どうか味わっていてほしい。真面目一辺倒では、あまりに不側ではないか。 同時に、豪一はそんな歓びを知る前に出征していったのだという、暗い思念にも囚われた。 タイ子はその晩まんじりともしなかった。自分はまるで我が子を兵隊にするためだけに頑丈かつ従順に育て上げたようで、やるせなかった。 また、タイ子が放蕩であったのと引き換えに豪一が堅物になったようにも思え、自らの過去を悔やんだ。 ・知らず知らずのうちに母を恐れるのは、自分に探しいところがあるからだ。幾子の胸の片隅には、いち早く兄の死から立ち直ったことに対する後ろ暗さがつねにある。自分は母に、「兄さんが亡くなったのに、すぐに元気になってすみません」と、頭を下げねばいけないのではないのだろうか。母はそれを待っているのではないか。 えんどう豆はその後しばらく兄の位牌の前に置かれていたが、三日目の朝、空っぽの小皿だけが豊に転がっていた。おそらく銀が食べたのだろう。母に気取られぬよう片付けた。 洗った小皿を布巾で拭きながら、幾子は、兄ではなく自分が生きていることが間違っているような気分になった。くだらない考えだと頭を横に振ったら、つられて指が滑ったのか小皿を土間に取り落としてしまった。 ・「ねえ、幾子ちゃん。あんたみたいな若い子たちは、育ち盛りのころに食べられなかったでしょう?食べ物だけじゃない、他にもずいぶん不自由したはずよ。あたしはなんだかそれが可哀想でね、こんな物でよかったら、いくらだって食べてほしいのよ」 優しい声で語りかけられて、胸がいっぱいになった。セイさんの思いやりもありがたかったが、今の言葉を掛けてくれたのが母だったらどれほどよかっただろうというどうしょうもない空想が頭を占めて、幾子はついに涙を落とした。 「あらいやだ。どうしたの?」 セイさんは珍しく動揺して、奥さんに助けを求める。 「あんたがあんまりしつこくお菓子を押しつけるからじゃない?」「ええ、そうだったの?そりゃ悪かったわ」「あんたは、昔から厚かましいところがあるからね」「まあ、押しが強いっていう自覚はあるけど・・・・・・・」「いえ、セイさんが悪いんじゃないんです」 幾子はやっと声を出した。これ以上、二人を困らせたくはない。 営業中の店内で泣いてしまったことは決まりが悪かったけれど、お客は元従業員のタイさんだけだし、泣いた勢いも借りて、家の事情を先日の出来事を交えて洗いざらい話した。マスターも厨房から身を乗り出して幾子の話を聞いている。 「ーそれで、母とは何だか気まずくなってしまったんです」「はあ、そんなことがあったのね」セイさんがため息をつく。 「すみません、いただいたお菓子を粗末に扱って」 「それはいいのよ。でも、そうね。息子が外地で亡くなったんなら、アメリカの菓子なんて見るのも厭かもしれないわね」セイさんは同意を促すように奥さんを窺い見る。 「終戦から今までは、慌ただしくてあっという間だったもの。お母さんがまだ悲しんでいても仕方ないわ。だからと言って、幾子ちゃんがお母さんに付き合っていつまでも泣いている必要もないし」奥さんは神妙な顔で、珍しくしんみりと話した。 「幾子ちゃんは、お母さんより早く立ち直って当たり前よ。若い人は過去より未来のほうが長いんだから、先を見なくっちゃ。お母さんと幾子ちゃん、どっちも間違ってないわ」 ・「これ、ゴールデンバットですよ。和男が呑んでたやつです」 父は小さく黒目を揺らし、茶の間に上がってきた。鞄を置いて、卓袱台につく。 「ーそういやあいつ、たばこなんて呑んでたなあ」 「そうなんですよ。ゴールデンバット、いえ、あの頃は金鶏って名前でしたねえ。私は金鶏を和男の出征の荷物に詰めてやりましたよ。慰問にも入れてやったし」父は黙って箱を持ち、しげしげと見つめている。 「それがいつの間にか、ゴールデンバットって名前に戻っているんですよ。私が知らないうちに、時代は流れているんですねえ」 しみじみとした声色に、父は目を見開いて母の顔を見る。 「でも、和男が好んだ味を試してみられて、よかったですよ」「・・・・・・・よし、俺も呑んでみよう」 「あらっ」 母と幾子は驚いて声を揃えた。 「なんだ。俺だって、たばこぐらい呑んだことはあるんだよ。ただ体質に合わなかったんだ。 匂いは好きなんだけどな」 父は、母と比べるとだいぶ慣れた手つきでたばこを取り、口に咥えた。 幾子がマッチを擦ると、父は眉間に皺を寄せてたばこの先を火に近づけた。すぐにたばこは燃え出し、じりじりと音を立てて赤く灯る。いかにも旨そうに煙を吐いた。 「私も、もう一本」 母は新たなたばこを口にし、幾子に火を点けるよう手振りで催促した。 「ふうーーーーーーーっ」 声混じりの煙を、母は前よりだいぶ上手に吐き出した。もう一口吸い込み、 「げほーーーっ!げほっ、がっ、ごほっ」 みたび烈しくむせ出した。 「おい、大丈夫か、無理する・•••••ごほ、ごほっ」「ねぇ、二人とも大丈夫?」 「大丈夫、不慣れなだけさ。ごほっ」 「げほっ、げーーーーーっ」「おい、幾子も吸ってみるか。げほっ」「えーっ、私?」 「駄目ですよ、幾子はまだ十七ですから。ごほっ」 「いいじゃないか、和男の弔いだよ。ちゃんとした葬式も出せなかったからな」「げほっ、ごほごほ。いけません。私が許しません」 父と母はむせながら根元まで吸ったあと、さらに一本ずつたばこを咥えた。 何度も咳き込みながら、二人とも吸い切った。小皿で火を揉み消す二人の目が赤く潤んでいたのは、煙が滲みたのか、咳き込んだせいなのか、兄を思い出したからなのかはわからなかった。 案外、むせ続ける自分たちが可笑しくなって、笑いを堪えていたのかもしれない。- barna-etsu@barba-etsu2026年6月21日読み終わった戦時中から戦後の生活環境とその時代に生きる人の思いが解像度高く描かれている。喫茶店のあり方、女性の生き方、戦争がどんな影響をもたらすのか。同じ国なのに、全然違うところが興味深い。

wakka@5963_reads2026年6月20日読み終わったオーディブル直木賞受賞作。著者の経歴にも興味があり読んでみた。女性たちの個性が際立ち、場面が浮かんでくる。 戦中、戦後の章が心に残った。
小魚小骨@KoboneKozakana2026年6月13日読み始めた読み終わった装丁が素敵&大正浪漫好きなので読んだ。 短編連作。繋がりは上野の「カフェー西行」の女給さん。カフェーに勤めている時に絞らず描いているのが良い。 カフェーの流行った華やかな大正時代から、戦中・戦後まで。直木賞にしては読み応えが少々物足りなく感じてしまった。


noakkaon@noakkaon522026年5月18日読み終わった東京・上野の片隅、繁華街から外れ活気はさっぱりだが、よく言えばのどかな一角にある「カフェー西行」。 ここで働く女給たちの日々を通じて、大正から昭和を生きた市井の女たちの人生を描く連作小説。 女給という仕事、それも流行ってはいないカフェーで、タイ子、セイ、美登里、幾子はなぜ働くのか。 その理由や彼女たちの働きぶりに人生の喜び、おかしみがつまっていました。登場人物たちは気づいていないだろうけど、きらきらとした瑞々しさがまぶしいです。一見、平凡そうな日々の営みには小さくても確かな幸せが必ず隠れているんだと信じられる。 作者の嶋津さんのあたたかい眼差しに、他の小説も読んでみたくなりました。 登場する男性陣も、この時代にはめずらしく女性の生き方に寄りそうような人たち。 時代柄、社会のメインストリームにいないだけで実際にはこうした男性たちがいたから、女性が活躍できる機会もあったんだなと思ったり。 それと「帰り道」というタイトルが好きだなあと。 カフェに集う人たちが、そこで過ごした時間をまといながら帰っていく気分はどんなだろう。 GW明けにじんわりと心に残る読書でした。

ヒナユ@abesanzuu32026年5月18日読み終わった大正から昭和にかけて「カフェー西行」という流行らないカフェで働いた女給たちの物語。 連作だが短編なので読みやすい。一人一人のエピソード、どれも面白かった。 一番印象的だったのはセイの話かなぁ 出戻りの女給であるセイと理髪師の出会いからの恋の始まり⋯⋯だと思っていたんだけど終盤の展開が辛かった。そうだよな、そういう時代だったもんな。忘れてたよ⋯⋯









- 目標36冊@book-teinei2026年5月17日読み終わった借りてきた5冊目 カフェ西行で働く女性達が主人公のお話 寂れたカフェで働いているからか戦争中も淡々としているというかがっつり悲惨な感じもなかったので読みやすかったかも 出戻りセイのラストはなんとも言えない切なさがあった

- ことね@reads6662026年5月13日かつて読んだ章ごとに主役が変わる構成ですが、どの人物にも自然と共感できる物語でした。 特に「出戻りセイ」での、女給のセイと客の向井の気の置けないやりとりがとても良かったです。 どんな人のことも受け入れる店主・菊田さんのあたたかさも印象的で、読後にじんわり優しい気持ちになれる一冊でした。



ねじまき@Nejimaki2026年5月13日読み終わった戦前、戦中、戦後のがっつり働いているわけではない女性たちの生活目線で描かれているので「生死をかける」みたいな感覚もなく、淡々と日常が過ぎて行く。しかし、「セイの出戻り」の最後の一文や「幾子のお土産」の息子を失った母など通奏低音のように流れている悲しみがそこかしこにあった。


本読み読みマン@jimi_hon2026年4月20日読み終わった大正から昭和にかけて「カフェー西行」で働く女給たちの日々を綴った短編集。どの話にも、嫌な人が出てこない。人の事を愛して、思い遣る登場人物ばかりで、読んでてすごく心が優しくなった気がした。話ごとに時代が変わり、前の話の登場人物が次の話に出てきて、どう生活や心境が変化したのかがわかる粋な演出もたまらなかった。 個人的には「嘘つき美登里」が好き。

かわい書房@kawaishibou2026年4月17日読み終わったまず装丁が好みすぎる。 色合いや装丁含めて余韻を感じる作品でした。 最初はほのぼのしていたのに、『出戻りセイ』の最後の一文で気持ちを掴まれました。


カズヨムヒツジ@count_sheep_1232026年4月16日読み終わったメンタルが落ちてて、ちゃんと感想を書く元気がないんだけど、心が暖まる小説だった。読めてよかった。話題作になってくれてありがとう。




わらびもち@warabimochi2026年4月12日読み終わったaudibleとても良い終わり方だった。 戦争中に生きた人たちでも世代ごとに(例えば当時40代、20代、子供)それぞれの感じ方があったんだと気付かされた。 最後は泣いたけど、じんわり感動し、目が潤むような感じだった。

この@konokono3012026年4月12日聴き終わったオーディブル大正から昭和の時代への移り変わりが、東京上野の寂れたカフェーを舞台として書かれてる。カフェーで働くのは女給さん達。 女性が外で働く事がまだ豊かなことではないとされていたが、夢のため、生きるために動き始めた女性達が頼もしい。 やがて戦争に巻き込まれ、身動きできなくなっていく。そして大切な人を戦地へ送り出さなくてはならない。 市井の人々の物語なので展開は一見穏やかにも思えるが、100年前の自分の日々として置き換えると胸が詰まる。 後から後からじんわりと思い出しては日々の大切さが感じられる。良い作品でした。



わらびもち@warabimochi2026年4月10日読んでるaudible全体的には穏やかなストーリーだ。その中で女給さんたち一人一人の辛さとか迷いとかが、しっかり伝わってくる。 今、「タイ子の昔」の章に入ったところを聴いている。日本の情勢が不穏になってきた。戦争の辛い話になったら、挫折しちゃうかも……。


- すーぱーまなー@supermanner2026年4月8日読み終わったaudible戦前戦後あたりの群像劇。 群像劇ならではの多角的な視点がおもしろい。 また、時代背景的にも少しの侘しさや切なさを感じられる作品。 いつの時代の女性も強く優しく儚い一面があるなと楽しめた。 たばこって、飲む、っていうんだなと知った。



才桃きいろ@kiirosaito2026年4月4日読み終わった舞台は、大正から戦後のカフェー西行。そこで働く、それぞれ事情を抱えた女給たちの姿が生き生きと、ときには少し捻くれたりもしながら、色鮮やかに描かれていて親近感が沸く。悲しいエピソードもあるけれど、どのお話も読後はさっぱりしている。
しおり(栞古書店)@shiori-koshoten2026年4月3日読み終わったカフェーで働く女性たちのストーリーを載せた短編小説。食べモノはほぼ出てこず、女性たちの生き方の方にフォーカスした内容でした。

かさや@kasaya_77212026年4月3日読み終わった大正から昭和にかけて、女給として働いた市井の人々の生活がリアルに描かれている。当時の人々は、どんなことに喜びや悲しみを感じ、どんなことに憧れを抱き、どんなものを好んだのだろうか。そんな想像を、まるで当時の生き証人のように語るところが、本作の魅力だと思う。また、登場人物たちの多面的なあり様を浮かび上がらせるのは、なんといっても豊富な語彙と、巧みな文体である。こんなに人間を愛おしいと思わせる物語があるとは思わなかった。




むらた@Murata2026年3月24日読み終わった100年前の女性たちの話ですが、今の時代でも共感できる部分があります。楽しく、時々考えさせながらも登場人物ひとりひとりを愛おしく思いながら読めました。- へたの横好き@msris2026年3月22日読み終わった直木賞受賞作ということで読みはじめました。当時の女給が時代に翻弄されながらも人生を謳歌する。みんな帰り道には色々な思いを抱いているものです。仮フランス装を知らず、乱丁?? と思った自分の浅学っぷりが恥ずかしい…


和月@wanotsuki2026年3月20日読み終わった朝ドラのような感覚で読める作品だった! 連作短編集で読みやすいけど、しっかりと一つ一つのお話に深みがあり、続きが気になって読み進めたくなる。あまり普段本をあまり読まない人や、文学賞受賞作品を何か一つ読んでみたいな、と思った方にもオススメできる本。 カフェーで働く女給達の視点で描かれる大正から昭和、戦後の日本。女性たちの働き方含めて、読んでいて初めて知る当時の世相が沢山あり面白い。 寂れているカフェーという設定からなのか、昭和の風俗営業としてのカフェーというより、喫茶店的な場所を舞台としているのがこれまた良い。客が少なくゆったりした時間が流れるお店、穏やかなマスター、時折会話に花を咲かせながらもチャキチャキと働く女給達。前半の2篇は特に、その空気感がとても心地良かった。 しかし、中盤から時代が進むにつれてカフェー営業の取締りが厳しくなり、戦争の気配も濃くなっていく。現代までの過程を知っていても尚、どうかこの未来には繋がってくれるなと言いたくなる。戦場にいる男性達の無事を祈る女性の思いの丈を読んでいると、とても胸が苦しくなった。 過酷な時期を経て、それでも生きねばと前を向いた彼女達の強さが、現代まで繋がってきたバトンのように感じられた。読みやすい物語だからこそ、この本を多くの人に読んで欲しい。 読み終わったあと、今を生きる私達の背中を押してくれるような力を持つ作品だった。



あゆむ@walkread2026年3月13日読み終わった★5.0 本当に面白かったし、めちゃくちゃ読みやすい! まじで誰にでもおすすめ出来る一冊! 100年前のカフェーで働く女性を題材にしたお話なんだけど、ものすごく引き込まれる。本当にカフェーで本を読んでいるかのようなくつろぎ、すごい綺麗な文章を書くなぁと感動した。 嶋津輝さんの他の著書も読みたくなるレベルですごい読みやすい。 お話自体も100年前のカフェーのはずが情景が目に浮かぶし、じんわり笑えてじんわり泣けるそんな名著でした🙂
本の花@ailove1582026年3月4日読み終わった女給さん達のその後の人生も、幸せであることを願います。。 とても良かったです。筆者の柔らかい文章の中に、戦時下の悲哀と女心が丁寧に描かれていました。嶋津輝さんまた読みたいです。



大根餅@daikonmochi2026年2月22日読み終わった良かった… 戦時中や戦後の話って、今まで全く関係ない過去の話という気持ちで読んでいたけど、そうでなくなってしまっている昨今の怖さも同時に感じながら、この時代がまた来ませんように。と願いながら読んだ。 にしても、決して戦後を生きていない年齢の作者が、こんなに当時の日常や心境をありありと描けるの、本当に凄いよな…と感動してしまう。








きなこ@kinaco_mochi22026年2月3日読み終わった借りてきた戦争の暗い雰囲気もあるけど、女給たちのたくましく生きる姿だった 案外今とそう変わらんなと思う 花形の職業とかかわいい服に憧れるし、夢を追いかけてるけどもう叶わないなと諦めたりする 家族との衝突も浮気を疑うこともある 世間でのカフェーの認識が違ったり戦争前後っていう時代だったり どうやっても今とは違うところも多いけど、やっぱり結局100年ぽっちじゃ人間は変わらない 短編集で読みやすいし、全部の話がちょっとずつ繋がってるのも楽しかった カフェで起こる色々なことの話かと思ってたらカフェは繋ぎ目でしかなくて、それぞれの女性たちの話だった
高橋典幸@takahashinoriyuki2026年1月26日読み終わった@ 上野恩賜公園好きな物語がひとつ増えました。小説『 カフェーの帰り道 』(著者: 嶋津輝 / 発行:東京創元社 / 2025)。 日常の生活、日常の職場、些細な会話。移り変わる時と世相の流れのなかで生きる、稲子、美登里、セイ、タイ子、幾子、菊田。そして、彼女ら、彼と関わる人びと。 大正後期から昭和初期の上野と周辺の街々に生きる人びとの物語。 読みながら、時にニマニマと口元が緩み、時に他人事とは思えないほどに心配したり、時に目頭が熱くなったり。心にゆっくりと染み入る物語。読み入りました。 あぁ… カフェー西行に行きたい… 稲子、美登里、セイ、タイ子、幾子、菊田に、 逢いたい… そうだ、 改めてページをめくれば、また、逢える 映画と異なり、再度チケットを買う必要はない。 手元にあるこの本のページをめくることで、また、何度でも再会できる。 小説本って、いいものだなぁ。 そんな事を思わせてくれた一冊。




mmm@carol_rukas_6542026年1月14日読み終わった直木賞候補作品👀 どの時代にも人の生活があって 時代に順応しながら生きてるんだな〜 時代は移り変わるけど物語が繋がってるのもよかったし、西行(カフェー)で働く女給さんたちみんな生き様がかっこよくてグッときた。 いい本に出会ったな〜という本。





ピエ@PieTatsu2026年1月9日読み終わったカフェー西行が刹那的な憩いの場として機能し、物語の主要人物たちが女給として、あるいは客として登場し、また退場していく。 その様子が、まるでスポットライトが切り替わるかのようであり、舞台装置として新鮮でした。




- 花ちゃん@hana12252026年1月8日読み終わったそもそも女給というものを知らなかったのもあり、読み進めていくうちに女給さんってこういう存在なのかしらん、と思ったり、時代の移り変わりがこんなにも反映される職業なのかと驚いたりしているうちに読み終わりました。 少しずつ登場人物が繋がっていったり、ひとを想うこと描写にじんわりと心が温かくなりつつも、いわゆる心温まる小説とは違う読み口でした。妬みもあるし、でもサバサバしているし…不思議だけれど、多分また読みたくなるのだろうな、コーヒーなんか飲みながら。 あとは、着物の描き方にうっとりしました。そして、自分の着物への興味に気づきました。






神木紗由@kamiki_sayu2026年1月7日読み終わった直木賞候補第174回(2025年下半期)直木賞受賞作 ①「稲子のカフェー」 ②「嘘つき美登里」 ③「出戻りセイ」 ④「タイ子の昔」 ⑤「幾子のお土産」 タイ子さんが縦軸かな。 銀座などの繁華街から少し外れた上野のお店、「カフェー西行」(元は「カフェー アウグイステヌス」だったが、作中、敵性語として正式に「西行」に改名した) 「稲子のカフェー」「嘘つき美登里」では戦前、「出戻りセイ」「タイ子の昔」では戦中、「幾子のお土産」では戦後、それぞれの時代のカフェーや女給さん、OGの日常が描かれる。 戦中、戦後の話にはつらい出来事もあった。単純につらい。急にめっちゃつらい。いつの世も戦争は大切な人や家族、心の安寧を取り上げて行く。 しかし、助け合い、励まし合いながら生きていく彼女たちの生き方は、強く温かい。 今までなんとなく抱いていた「カフェー」「女給さん」のイメージとは違って、穏やかな作品だった。



サラエ@hacofug1900年1月1日読み終わった戦中戦後の話は誰かが死んでしまうことが多いから避けて通ってた。それをこえて、この本はとても良かった。 すれ違う人、同僚、家族、当たり前だけどそれぞれに人生があって、みんな懸命に生きてる。 そのことに静かに感動した。



















































































































