いくつもの週末

45件の記録
- sazanami@sazanami2025年10月5日読み終わったくっついているからこんなにかなしいおもいをするのだ 月曜日 から この週末がいちばんすきでした グレー寄りの霞んだピンクみたいな本 いくつか江國香織大先生を読んだけれど掴みきれなくて、この本がいちばん読みやすくてお気に入りになった!おれは小説家の方々の書くエッセイが好きなので 他の方が処方箋みたいな本と言っていたけどほんとうにそうかも 本棚に置いておきたい ロマンチックで劇的な、淋しいふたりの週末を追体験して頭のなかの文体まで江國香織大先生になっています
- m@m15ar2025年9月23日読み終わった@ 自宅とてもとても好きだった。 たった1人の誰かと一緒にいることを愛していながら、自分という1人も愛する、そうすることがつまり人生を愛するということ(どちらが欠けても人生を愛するということにはならない)のだ、という、 長く自分の中にあった感覚がこの本を読んで上記のように言語化して外に出て来た。 私は、自分の、今言語化して出て来たような部分がとても好きだ。 他の人では、持っている人は少ないような気がする。少なくても、たまにいる。そして、同じ感覚を持つ人と出会うとソウルメイトだなと思う。 あぁそうか、私が誰かをソウルメイトだと思う時は、この部分を持っていることを共通項として感じた時なんだろうな。"この部分"が何か、完璧な言葉はまだ見つからないけど、江國香織の小説の中に散りばめられているものであることは、今までの江國香織の小説を読んだ時の自分の鼓動から分かっている。派手では無いのに、どきどきする感じ。 結婚してから、生活は色つきになったんだそう。 独身生活には、モノトーンの秩序があると。モノトーンの秩序自体は、自分が大切に作り上げて来た秩序だから、それは間違いなく自分にとって大切なもの。 だけど、たとえば深夜お風呂の中で本を読んでいて、急に恐怖にかられてすくんでしまうことがあった時、お風呂場の扉と洗面所の扉を開ければ夫のいびきが聞こえてくる。途端に1人ではないことを確認してすごくほっとする。とか。色つきとはそういうことなんだそう。 それから、夏、雨に濡れる東京タワーを見に行く、とか。「そこにはあらかじめ電話をかけて誘い、スケジュールを調整して約束し、待ち合わせてでかける、というプロセスを踏んだのでは到底存在し得ない特別な空気があって、私はその身軽さや鮮度が大好きだ。色つきとは、たとえばそういうこと。」(色)と江國香織は表現していたけれど、大きく共感する。 あとは、夜に、屋根が開く車で、住宅街に桜を見にドライブに行く描写にどきどきした(桜ドライヴとお正月)。 風邪が吹いたり、雨が降ったら散ってしまう、今日見に行かないと見られないものをすぐに(それもロマンチックに)共有できる幸せ。 日常の中の非日常を共にすることがとても好きなのかも。平日の夜に、少しおしゃれをしてブルーノートへ行きたい、と思った気持ちと重なる。 そして、日常を共にすることにも愛を見出したいのかな。非日常が存在することで、輪郭がくっきりする"日常"に。
- n@readthebook2025年8月16日読み終わった友人の薦めで📖 可愛らしい女性像と、結婚という甘い菓子のようで実はそうでないナマモノが江國香織調に描かれている。 江國さんの手にかかると、すべてが柔らかい布に包まれてハグされているようになるのが好き。
- 久保みのり|書店よむにわ@kubomisan2025年7月13日読み終わったところが結婚は動く歩道のようなものなので、じっとしていると前進してしまう。 どことも知れない、たぶんいきたくもない場所に。それで、そこにじっとしていようと思ったら、ついうしろ向きに歩いてしまうのだ。動く歩道に拮抗するために。(p.120) 江國さんの結婚哲学、おもしろかった〜!すべてを相手に委ねてしまうのは愚かだけれど、おもしろがって互いに人生を預けあうのは愉快、そんな身軽さを感じた。夫の取扱い説明書とか、妻の取扱い説明書とか、何か端的にまとめてしまわない良さがあるなあ。(もちろん、説明書は説明書でおもしろい)
- 久保みのり|書店よむにわ@kubomisan2025年7月11日読んでるエッセイなど読まない夫が全部読んだそう。どうだったと聞くと「かわいい女の人って感じ」とのこと。むむむと思って、深夜に手を取る。なるほどたしかに、夫への感情表現が得意そうな江國さん。私もこんなにかわいく不満を表すことができたらな。
- ほやぼ@-oka192025年3月27日読み終わった江國香織の小説の主人公は良い意味で浮世離れしてるといつも思っていたが、このエッセイを読んで江國香織にかかると自分の生活でさえもこんなふうに描かれるのかと驚いた。あるいはこれがフィクションなのだろうか、そう考えてる時点で思うつぼなのだろう。
- ユメ@yumeticmode2017年12月20日かつて読んだ感想ひやりとした文章に、どこか自分の知らない遠くへさらわれてしまいそうで怖くなる。ご自身の結婚生活を綴ったエッセイであるのに、何となく物語めいて感じられるのは、文章があまりに端正で、かつ私自身の結婚生活とは似ても似つかぬせいであろうか。そう思っていると、核心を突かれる一文に次々出会い、結局のところ結婚というものの本質は同じで、それをどう受け止めるかの違いではないかと思わされた。 「物語が幸福なのは、いくつもの可能性のなかから一つが選ばれていくから」 江國さんの言葉は、私の中に眠っていた名前のない感情を呼び覚ます。