両膝を怪我したわたしの聖女

35件の記録
- まと@maatoo0_zzz2025年5月24日読んでるちょいちょい文体が決壊している箇所があるけど、それ程では無いな...と読み進めていたら、突然様子がおかしい1話に辿り着く。 句読点を一切使わず、親友へのクソデカな気持ちを綴っているが正直、理解が追いつかないので「考えるな、感じろ」精神で読み進めた。
- 読谷 文@fumi_yomitani2025年5月24日読み終わった裏表紙の帯に引用されている句読点のない文章を読んで、こここ、これが決壊する文体……ついていけるかしらんと一抹の不安を覚えるも、それはほんの一部で、全部が決壊している訳ではなく、むしろ一気読みだった。 自由なお金も移動手段も持たない子ども特有の、閉塞感あふれる田舎の長い夏休み。海が行き止まりとなる火山島で、別荘地には余所者が来ていて、でも住んでいるのは山の上の集落だから海には行けなくて水路でビーチごっこをする、臆病なわたしと物怖じしない親友のイソラ。 子どもらしく人形遊びやごっこ遊びをする反面、性への過剰な探究&没頭といった尾籠な話も多い。貧困と暴力が風景のようにそこにあって、互いに抱えている悲しみは時に強がりとなって流れ出す。さめほしさんの表紙の女の子がすごく物哀しい泣き顔に見えて、頭の中でずっと主人公のわたしに重なっていた。 訳者あとがきによると、著者は「女の子同士の友情と聞くと抱きがちな、天使のようなイメージを打ち壊す話を書きたい」と思っていたそうで、本作で見事に真逆に振り切っている様はむしろ清々しいほど。 また、本作が小説デビュー作となる著者を見いだした同郷の作家、サビーナ・ウラカと著者との間のストーリーが運命的で、本作誕生秘話として胸に迫るものがあった。 スペイン語圏には本当にぶっ飛んだ小説が多い!と改めて驚かされた。 雨の予感を感じさせるしっとりとした手触りが印象的なカバーに、スピンと花布が可憐なピンクで、そこだけはいかにも可愛らしい10歳の少女だった。