東京都同情塔

68件の記録
- yt@yt2025年5月20日読み終わったザハの競技場が建設された世界線。 受刑者の人権が再検討される。 この金ピカのポリコレ試験紙を、今なら焼くべきかもしれない。 しかしキールアーチのない東京で。 失われた30年が終わっても同じ結論になるかは分からない。
- blue-red@blue-red2025年5月19日読み終わった芥川賞受賞作に言うのも失礼な話だけど、グルーヴ(本書の言葉でいえば「フロー」)の効いた読み易い上手い文章で、グイグイと読まされてしまった。バベルの塔や言葉の壁がモチーフなのに、小説そのものはとても読みやすいというアンビバレンス。著者の他の作品も読んでみたい 場面や状況の展開そのものはミニマムで、ほとんど登場人物の思考や会話で占められる。何やら社会性や政治性を誘起する設定の小説だが、良くも悪くもテーマの重さは感じさせない。宣伝されてない本書のもう一つのテーマは建築・建築家の持つ欲望についてだと思うが、個人的はそちらの方にアクチュアリティを感じ、今後も気になりそうな概念だ。 些細な点だが指摘しておくと、登場人物に死去をもたらすために精神的な異常者を物語ご都合的にその場限りで用いるのは好きじゃないな、とサラ・マキナのように頭の中の検閲が
- りゅーいち@ryumachi32025年5月18日読み終わったおもしろかった!おもしろかった?2023年下半期の芥川賞受賞作。小説内の5%くらいは生成AIが書いた文章を使っているとのことで、どんな小説になるのか気になって読んだ。 人間が書いたり、思ったりする生の文章と、生成AIが書く血の通っていない薄い(気がする)文章が混じり合うと、境目なくおもしろく読めるんだなと興味深かった。ここはAIだなというのははっきりわからなくて、ここかな?と感じながら読むのもおもしろかった。AIを使ったと公言していることで、逆に人間が書く文章のおもしろさを見せつけられた感じがして愉快だった。 オリンピックのこと、SNSのこと、性被害事件のこと、日本人のこと、AIのこと、多様性、平等、、、その時(から今も続いている)社会の空気感がたくさん詰まっているのもおもしろくて、読みやすかった。 感想を書こうとぱらぱら読み返してみると、どこを切り取ってもおもしろい文章!と感じて、おもしろい文学ってストーリー性より、文章自体の鮮やかさや個性や興味深さなどを楽しむものなんだなあと改めて思った。
- ことこと@kotocrow2025年5月10日読み終わった結構気が散ってしまって入り込めなかった。近過去ディストピアの様相。 あとタワーと感情という点で、「絶縁」に収録されていた村田沙耶香の「無」がちらついていた。あっちの方がよっぽどディストピアだったな。また読み返したい。
- さやか@sayakatropicale2025年4月23日読み終わった読み応えがあり、大変面白かった。独特のエクリチュールにたびたび負けてしまうので、もう一度、読み返したいと思う。デビュー作の「悪い音楽」一発で著者のファンになりましたが、単行本になっている作品を全部読み終えた今も、それは変わりません。
- ひなこ@hnk9272025年4月8日読み終わった@ 本に没頭できるカフェ Good Rack国立競技場にも行きたくなったし、建築家というものにも興味が湧いた。生成AIにプロンプトを入力して、確率論が弾き出した文章が浮かび上がるのを眺めながら、妙な気持ちになる。この誰のものでもない、何物でもない、無味無臭の文章はなんだろうと思う。AIが吐き出してると思うからかもしれないけど。この本を読んで「AIっぽさ」というのがなんとなくわかるものなんだなと思っておかしくなった。
- 椎原@z4hara2025年3月24日かつて読んだ東京旅行したときに本屋で買った。レジめっちゃ並んでてビビった。これが都会か……と田舎のねずみは慄いた。受賞作って発表されてすぐ読んだけどまーー面白かった。アンビルトの女王のくだりがおもろかった。
- あーちゃん@ahchang2025年3月15日読み終わったaudible★★★★ 1,2年くらい前に芥川賞かなんかを受賞して生成AIを使用して書かれた作品として話題になっていた記憶が薄ぼんやりあった。 建築家の女性が「シンパシータワートーキョー」という刑務所の設計をするという近未来の話。 近未来という設定だけど、すぐにでも起こりそうなタイムリーな話で、AIを通してコミニュケーションを取るようになった人間の話の行く末みたいな話なのかな?と思った。 配慮することが余りにも多いなと感じる昨今、AIの誕生により、AIを通して推敲された言葉でコミニュケーションを取るようになり、その清潔感のある言葉の中で古い人間は違和感を覚えながらも、少しずつ別の人間に成り変わっていくのだろうか。 別にそれは良いことでも悪いことでもなくて、時間が進んでいくだけというだけのことである。あと10年後くらいにこの本を読んだらどういう気持ちになるのか興味深い。
- サカグチ@hisuissugi2025年3月10日読み終わった生成AIを利用した芥川賞作品として話題になったイメージがあったが、むしろ生成AIテクストへのアンチテーゼとしての側面を感じた。 批評に耐えるテクスト。
- sio@sio2025年3月8日ここ最近の芥川賞受賞作はあたりが多く、その中でも『東京都同情塔』は飛び抜けておもしろかった。ほぼすべてのSF作家に言えることだけど、例えばJ・G・バラードを読んでいて唯一残念に思うのは、その作品が書かれた時代の空気感を肌で感じながら読むことができないという点だ。こればっかりはどうしようもない。だからこそ今後、九段理江と同じ国の同じ時代を眺めながらリアルタイムで作品が読めると思うと、まじでありがとうって思う。同世代に優秀なSF/純文学作家がいることは幸せなことです。
- インテルメッツォとカプリチオ@kaoriiiyama12032025年3月7日九段理江さんご自身が前衛芸術家(それも建築家)のよう。表層的な善性とAIが創り上げるどこかつるんとした無機質さと、人間臭い荒々しさと。おそらく著者の「ことば」についての自問自答、そして世の中を俯瞰した、鋭い眼差しを感じさせるような佳作。ちなみに九段さんの影響でラップを聴くようになりました。(韻を踏む面白さ!)
- はぐらうり@hagurauri-books2024年1月21日読み終わったこれは「今」の物語。僕は主人公のようには未来が見えないので(語弊があるかも)、未来に読むべきかわからないが、今読むべき小説だったと思う。AIについては、登場人物のひとり、くらいの感覚で、同時代性の象徴に思える。まごうことなき芥川賞だった。