春のこわいもの

50件の記録
- 愛日@ai_ohisama2025年5月3日読んでる"淋しくなったら電話をかけて" 私を「あなた」とし、体からすり抜け、少し上から見つめると… ちょうどこの短編のように、ひとつひとつの小さな動きが、ひと粒ひと粒の光の玉となって、それを拾い集めるように、私はあなたに夢中になる。
- 愛日@ai_ohisama2025年4月29日読んでる朝、目が覚めると雨の音。今日は晴れの予報だけれど、昨日の雨がまだ残っていたんだね。窓を開けると青空が雲の隙間から顔を覗かせる。雨が降っているうちに、少しの本時間を過ごそうか。 川上未映子さんの"ブルー・インク"は、この朝の時間を過ごす私の中にすっぽりと入り込む。 雨が止み、雲が洗い落とされたようにいなくなり、真っ青な空。雨で潤い透き通った空気の中では、遠くで走る電車の音も、鳥の声も、間になにもないかのように私の耳に届いて、どこまでも響いていきそう。 雨のち晴れ…この境目の時間ってなんて綺麗なの。 いい朝。
- 愛日@ai_ohisama2025年4月26日読んでる"あなたの鼻がもう少し高ければ"を読み終えたところ。 私は長野に住んでいるけれど、ひとり、東京の渋谷を歩いたとき、こんな気分だったなと思い出した。 自分の住む世界とは、違う世界を見た感覚、でも意識していなかっただけで、確かに同じ時間がここでも流れていたんだという衝撃。 自分が埋もれて沈んでいきそうなほどの人の数、私ってこの中のひとりにすぎないんだと、長野では感じられない圧倒感と同時に、このひとりひとりにそれぞれの、今までと今とこれからと、大切な人と仕事と暮らしと、うれしい日とかなしい日とがあるのかと、目が回りそうになる。 人混みは苦手なほうだし、初めての感覚でうろたえ疲れたけれど、また東京、行ってみようかなと思っているので、このお話も、また読み返すのだろう。そしてまた違う気づきに出会うだろう。
- しま@murmur2025年4月25日読み終わった全体を通して、自分にとっては「きつい」と思う部分が多く中身を少しずつ呼び飛ばしながら、急足で読み終えた。 流れてくる知らない人のゴシップを読んでいる時のような、興味がないどころか不愉快になっていく感覚を覚える中で、「青かける青」の諦めと悲しさと君への愛しさだけは心地よく読むことができた。 人の根本にある悪意と、自己憐憫と、他者への差別的意識。 それらを分かりやすい文体で書いていて内容としては読みやすいが、とにかくとめどない思考をそのまま記したような文章が冗長に感じられて、読む時の心踊る気持ちが得られず…SNSを読んでいる時のように疲れたし、二度と読むことはないかもしれない。 悪意を読むには、短編集では短すぎる。 あなたの暗い部分を肯定するには、人となりを知らなすぎる。 そんな感じ。 p122「きっと……何がが起きたときに、誰かにちゃんと見つけてもらえる人と、誰にも見つけてもらえない人がいるんだと思う。それは、その人がどんな場所にいるかってこととは、関係がないことなんじゃないかと思う」
- 小蒔莉@comaliiiiiiil2025年4月22日読み終わった多くは言いません。なのであなたの想像でたのしんでください。少ない情報で沢山のことを受け取れる人が味わえる、そう言われているような小説でした。 私は前半の物語が好きだったかな。
- 小蒔莉@comaliiiiiiil2025年4月20日読んでるあなたの鼻がもう少し高ければ 私は生まれつき二重でないことを恨んだことがなんどもある。小・中学生の頃は腫れぼったい瞼のせいで、怒っていると誤解された。 高校生からはアイプチをするようになった。整形絶対する!なんて言ってたけど、全然してないし今はする気もない。 努力で自分の顔を好きになれてる。最近はパーツより全体の雰囲気な気がしてきた。アイドルのように可愛くなくていいし、なりたい顔No.1みたいな人にもならなくていい。 私が私の顔を少しでも好きで、自信を持って外に出られたらそれでいい。
- 🐧@penguiiiiin_042025年4月5日読み返した『青かける青』 この本に出版日として印字されている2022年の2月25日は、それは自分の国公立大学入試の日であり、ロシアがウクライナに侵攻した日の翌日。それからすぐにこの本を買って、みんなが体育館で高校の卒業式をしているときに、退学する自分は一人で教室で読んでいた。 当時は思うように動かず、寝ても寝ても疲れが取れない身体にもどかしさを覚えていた。それなのに当時の自分は『青かける青』に特段の共感を覚えたわけではなかったような気がする。今読み返すとこの話の中に出てくる彼女は、病態もまさしく自分に近く、また当時の自分も彼女のように、周囲が急激に変わってしまう中ぽつねんと一人置き去りにされる感覚を強く感じていたはずだ。 もしかしたら、当時の自分の時間に対する感覚では、少し難しかった部分があるのかもしれない。ただあの日溜りの中にあった教室には、もう戻ることはできないし、できないにもかかわらず、痛いまでにヒリヒリするような可能性と不安が、あの教室のそこかしこにまだへばりついている。 あれから、三年間が過ぎ、自分のいる場所も、自分の周りにいる人も、自分の考え方も随分と変わってしまった。それでも春になるたびに、あの教室の中にいた自分を思い出す。ロシアとウクライナはまだ戦争を続けている。今年も桜は淡く咲いて、儚げに散る。期待と不安の緊張が、春をこうも美しくするのだろう。 「ねえ、戻れない場所がいっせいに咲くときが、世界にはあるね。ずっと、ずっと元気でいてください。お元気で。」
- hn@hn__872025年4月3日借りてきたかつて読んだp.28・そっち側にはなりたくないな、とトヨは思った。ただの弱さが、なんか気づき、みたいになってるのも気持ち悪いし、誰も傷つけない自分はえらいと信じることで自分を慰めるしかないような、そういうのはきっついな、と思った。
- umi@umi02182025年4月1日かつて読んだ(2022年の夏にこの本を読んだときの日記を引っ張り出してみる) ずっと、いまここじゃないどこかに行きたいと考えていて、そう考えないように休日はどこかに出かけていたのに、自宅療養じゃそんなこともできない。することはきっとたくさんあるけれど、そのどれもがやりたいことではなく、自分はいま何をしたら楽しいのだろう、本当は何をしたいんだろうと、欲望がわからなくなっていく。欲のために生きているのに。欲望がわからないなんて、それだけで毎日を過ごす自信がしぼんでしまう。わからない、わからない、ただ以前よりはましなことだけがわかっている。 . . . 「部屋に戻る。あなたを急かすものは何もないのに、居てもたってもいられないような気持ちでベッドに寝転ぶ。永遠に変わることがないような、家具や色やカーテン。あなたの位置から見えるすべて。仰向けになったあなたは電話をつかんで目の前にかざし、他人の彩りあふれる生活の写真や、読むことのできる言葉のつらなりを、際限なく目に入れてゆく。ぜんぶがおなじでぜんぶが違い、ぜんぶが光ってぜんぶが苦しい。全体としての白痴、全体としての盲目、全体としての同意、全体としての加担。あなたが見つめる画面には、知りたいものも読みたいものも、知るべきことも読むべきものも本当はありはしないのに、あなたはどこからも目を逸らすことができないでいる。瞬きするごとに虚しさが滴り落ちていく。目も頭も、毛穴も内臓もいっぱいになりながら、あなたはあなたの足を掴んで逆さに振って、この中にあるもの、溜まったものをすべてかき出して空にして、内側をきれいな布か何かで拭って、もう一度、すべてを最初からやり直せたらいいのにと思う。」 『淋しくなったら電話をかけて』より引用
- みつ@m-tk2025年3月11日買ったかつて読んだ---わたしはきみのことが大好きです。きみに会えたことは、わたしの人生に起きた、本当に素晴らしいできごとでした。わたしを見つけてくれてありがとう。わたしを好きになってくれてありがとう。ねえ、戻れない場所がいっせいに咲くときが、世界にはあるね。ずっと、ずっと元気でいてください。お元気で。
- ryo@mybook122222025年2月23日読んでるふと思い出した「コミック・ヘブンへようこそ」に出てくる『ミニョン』という短篇の"なくてもいいようでなんか気になる話"感が、「春のこわいもの」でいうところの『青かける青』に似ている気がして。ひさしぶりによんでる