高等支援学校が舞台の学園ミステリ！東京創元社が出版！おもしろそう！と手に取る。 主人公の言葉の受け取り方、人との関わり方が新鮮で、「こういう風に受け取ってしまうのか」とか新たな気づきがある。言葉と表情をみながらリアルタイムですすむ人間関係の築き方って本当に正解がないし人によって違うから難しいよね……。

高校生たちの、ミステリー色薄めのさわやかな学園ミステリー。ただ、他とちょっと違うのは舞台が高等支援学校だというところ。 　読み進めて行くうちに彼らがどういう困難を抱えているかはわかってくるけれど、いわゆる具体的な「診断名」は書かれていない。それはおそらく、あえて。「彼らも普通の高校生なんだよ」でもなく、「こんな特殊な場所があるんだよ」でもない、ただただちゃんと青春している高校生の話になっているところがいいなと思う。 　それにしても、やけにリアリティがあるなと思ったら、著者は高等支援学校に関わる仕事をされているとのこと。納得。