ムーン・パレス
105件の記録
704h@704h2026年8月17日読み終わった読み終わった。 主人公の青年が全てを失くすまでの物語。まさに人生の不条理さが凝縮されていて、極端過ぎるほどに喜劇と悲劇が何度も何度も繰り返される。 いくつもの出来事が幾重にも折り重なる構造になっていて、読み進めるほどに偶然だらけの人生の全ての事に意味があるように思えてくる。読み応えのある重厚な読書体験だった。読む人によって様々な受け取り方ができると思う。 過酷なストーリーだが笑えるところも多いし、読後感はスッキリとして、何かはじめたくなる稀有な小説だ。ポール・オースターにハズレなし!

704h@704h2026年8月16日読んでる3/4くらいまで読んだところ。 どうやったらこんな小説が書けるのだろうか。素晴らしすぎて震える。 場面が変わるごとに新たな世界が描かれて、いくつもの短編小説を読んでいるようだが、全てが見事に繋がって関係し合って物語に深みを与えている。かと言って複雑な話では全くない。外で読んでると笑いを堪えるのが大変なくらい笑えるシーンも多いし、難しいことは言わずにテーマも明快で、まっすぐに心に響く良い話になっている。 凄いと思うところはたくさんあるけれど、並べてもしょうがない気がする。何より素晴らしいのは、全体を通して物語が活き活きとしている。今の自分と合っているのもあるだろうけど。 なんだか読み終わるのが嫌なくらい好きな小説です。
704h@704h2026年8月15日読んでる半分くらいまで読んだ。これは凄い本です。 物語の大筋は、全てを失った天涯孤独の青年が、友人や恋人など周りの人たちの力も借りながら自分のアイデンティティを取り戻していくドラマなのだけれど、極端な状況と強烈な人物の洪水で現実的でない魔術的な魅力を醸し出している。更に象徴的に繰り返し出現する「月」。 とはいえ読みにくい訳でははないので、安心して読めます。まだ半分ある幸せ。



704h@704h2026年8月10日読んでる2/5くらいまで読んだ。最高に面白い。 『ブルックリン・フォリーズ』を読んでハマり、『ガラスの街』、『幽霊たち』、『鍵のかかった部屋』とニューヨーク三部作を読んで、オースター5作目となる本作を読んでいる。 ニューヨーク三部作のような実験的な作品ではなく、程よくエンタメしていて『ブルックリン・フォリーズ』に近い。まだ前半だが、人生のどん底まで堕ちた主人公が運命的な女性に出会い、自分を取り戻していく話のようだ。人生の落ちぶれ方が極端過ぎて面白い。 極限まで切り詰めて生きる姿は、さながらダンテの『神曲』的地獄巡りだ。そしてベアトリーチェのようなキティ・ウーに出会うわけだが、エフィングという悪魔のような老人と出会う。主人公とこの老人のやりとりが楽しくて笑った。 ポール・オースターは素晴らしい。書き方も巧いなぁと思う。技術的なことは分からないけど、さらっと描いてくれる。続きも楽しみだし、他の小説もたくさんある。幸せなことだ。- ケミパパ@chempapa2026年7月29日読み終わった時に悲劇的で、時に滑稽で、主人公の僕もエフィングもバーバーも、アホなのか……と思うこともしばしば。 それでもどこか憎めない、弱くて不器用で魅力的な人物ばかりの小説だった。
句読点@books_qutoten2026年7月27日読み終わった夏休みにゆっくり時間をかけて読んだ。良質な映画を10本まとめて観ているような、そんな濃密な小説。 まさかそことそこがそう繋がるのか!という驚きもあるし、それがめちゃくちゃご都合主義かと思いきや、本当にそういうミラクルなこともあるかもなあと思わせる書き方。月のイメージが至る所に出てきて、(書き出しからそう)、重要なモチーフとしてずっと連続している。世代を越えて相似形のことが起きていたり、それをつなぐものもやはり月。パズルが気持ちいいくらいにハマる感じ。かといってやりすぎ感もない。それは単純なハッピーエンドとはいかない終わり方で、良いことも悪いことも全部平等に訪れるから。途中で終わってたら「ああいい話だった」で終わってたかもしれないのに、その続きでさらにひっくり返される。 エフィングと雨の中最後のミッションを果たすシーンなどはもう本当に映像を見ている感じだった。というか全編にわたって映像がすごく浮かんでくる。 他の作品もどんどん読みたくなった。

okabe@m_okabe2026年7月17日読み終わった『リヴァイアサン』『偶然の音楽』『ムーン・パレス』とオースターの作品を読んできた。この3作は、「偶然」と「不条理」という点で共通した作品群だと思う。そのことは、著者自身の哲学が反映されているのかもしれない。 そして相変わらず柴田元幸氏の翻訳が素晴らしい。次は初期の「ニューヨーク三部作」を読みたい。





バルーン@9kv8xiyi2026年7月11日読み終わった@ 自宅全ては結びつきの欠如と、タイミングの悪さと無知故の盲動の結果だった どうやって生きてもいいやと投げやりな一方で、自分のプライドは高いものがある、個人的にはすごく等身大の主人公が偶然彼の出自を知ることになるビルディングスロマン。 リアルな人生って伏線なんてなくて、全ては偶然だよねっていうポールオースターの思想が詰まったようなどこか非情なほどに現実味溢れる、故に面白い作品。この作品と出会えてよかった








佐波長太郎@sabatyou2026年6月2日読み終わったただの記録だけだと読書メーターと変わらないので、編集して少しは感想を書いてとおくことにする。 元はと言えば普段純文学系──だいぶ曖昧な括りであることを承知の上で……などと留保をつけつつも便宜的にこの言葉を使うが──の本をあまり読んでいるイメージのない友人が『サンセット・パーク』というポール・オースターの別の小説を読んでいたのが発端で、折角だから私も久々に読んでやるかと思って読んだのだった。因みに私のこれまではオースター遍歴はと言えば『ガラスの街』と『幽霊たち』を読み、あとは『オラクル・ナイト』を読みさしのまま手放してしまったくらいだ。『サンセット・パーク』を読む前に積んでいてかつ以前別の友人に勧められた『ムーン・パレス』を消化するつもりで読んだ。結果、かなり良かった。その後友人の口から『サンセット・パーク』の名が発されるのを聞いていないがそれはどうでもいい。 話の大筋を掻い摘んで整理しておくと、主人公は貧乏学生で伯父から貰った本とそれの入っている段ボール箱を組み立てて家具にして暮らしていた。主人公は自分を突き詰めるかのように働かないので、生活は切り詰められ、段ボールの中の本も売られる一方である。そこらへんで、キティ・ウーという魅惑的な女性と出会う。この女性は、主人公が家を追い出されシナシナになっているところを助けてくれる割に、助かってからはあまり関心がないかのように振る舞い始める。共通の友人の家でなんとか生活し、体力を回復する。ここらへんで題名にある『』ムーン・パレス」という中華料理店が出てくるが、ここ自体は印象が薄い。ムーン(月)のイメージは頻出するが、パレス(宮殿)は出てきていない筈だ。 この小説の面白いところの一つには、キティ・ウーとの恋愛話にさほど舵を切らずに、「ムーン・パレス」らへんで知り合った謎の老人トマス・エフィングとの奇妙な生活を書くことに小説が舵を切るところがあるかもしれない。恋愛話だけに終始するよりも、よっぽど青春感を醸し出している気がするというのもまた魅力の一つかもしれないが、まあそこらへんは読んでみれば分かるのであまり詳述しても仕方ない。 個人的に面白かったのは、終盤で出てくる太った男性が月のイメージと勝手に私の頭の中で結びついてしまったところで、これは完全に『万延元年のフットボール』の月のように太った女性のイメージに汚染されているだが、そうでありながらかなりしっくり来る。この小説では、月というモチーフが現実世界と抽象世界を繋ぐ架け橋になっているので、終盤に出てくる男性をその月に準えるのはそんなに素っ頓狂でもない筈なのだ。 その他良かった点としては、文章がユーモアに富んでいて面白いという単純ながら肝心なところと、挿話だ。文章が良いのは私には良いとしか言いようがないが、挿話に関してはもう少し言えることがありそうだ。例えば、この小説にはエフィングが語る半生記や終盤に出てくる小説の粗筋、キティ・ウーに纏わる逸話なども含めるとそれなりに挿話がある。ある時はそれらを頭の片隅に留めながら、ある時はそれらと並走するように読み進めていく感覚は喜ばしい。物語が好きだから、物語の中に物語が出てくると嬉しい。そして、それ以上に物語化しきれなさを挿話から感じる。登場人物がどこかの挿話に対して感想や批評を加えているところなども面白い。新鮮に、自分とは違う読みをする読者に対する感動がある。他のオースター作品でも、こういう良さはあったが、『ムーン・パレス』はボリュームがそれなりにある小説なので一層、色々な挿話やイメージが飛び交っており、それでいて煩くなっていないのが良かった。 村上春樹ではないがやはり小説には、ユーモアと音楽性と親切心が大事だと思った。まあ、今回はここらへんで。
どど@reads_04122026年4月13日読んでる一気読みしないと、感想が新鮮に残らずに弾けて消えてしまう気がする。 本の中の世界から一度離れると、もう戻れないかもしれないと思う。 でも一度で読み切るのって難しい。 だから栞を抜いて、最初から読み直す。 そんなことを続けて、ずっと読み終わらない。
海月@opendoors2026年4月12日かつて読んだそれは人類がはじめて月を歩いた夏だった-- この書き出しを読むだけで、昔この本に夢中になった感覚を思い出せる。少し長めだけど、最後のページに行き着いたとき、主人公と一緒に人生を旅したような気持ちになる。 10代で出会いたかった一冊。
chroju@chroju2025年10月3日読んでる半分ぐらいまで来た。 > 「もうやってみたよ。 いまでも頭のなかにみんな入っている。 どこでもない場所のど真ん中の、何もない荒野に、独りぼっちで何か月も何か月も.....まる一生だよ。そういうことはな、一度やったら絶対に忘れられるもんじゃない。 わしはどこへも行く必要なんかないんだ。ちょっとでも考えれば、とたんにもうそこに戻っているんだから。このごろじゃ一日の大半はそこにいるのさ――どこでもない場所のど真ん中に戻っているんだよ」 (p.222)


chroju@chroju2025年9月20日読み始めた> 忙しい最中にも、何かほかのことをたえず夢見ていて、ある曲をじっくり練習しようにも、じきに頭はチェスの問題を解くことに没頭してしまうし、チェスをはじめたらはじめたでシカゴ・カブスの低迷について思いをめぐらせずにはいられず、球場へ出かけていくと今度はシェークスピアに出てくる脇役の誰かのことを考え、やっと家に帰って本を読み出しても、二十分も経つとクラリネットを吹きたい欲求に駆られるのだった。 (Page 15)



























































































