美しい夏

41件の記録
- saemultaneously@saemultaneously2025年9月14日読み終わった夏、ということで夏らしい本が読みたい!と手に取った1冊。どうやら映画化もされるみたいで、映画の予習にもなった。読み終わったら映像でもみてみたい。パヴェーゼの他の作品も読みたくなった。今年の夏の一冊。去年は、ベルジャー。
- ショートストップ@tabine_sora2025年9月10日読み終わった「グイードは相変らず部屋じゅうを歩きまわっていた。あの大きな靴で、薄い床板を震わせた。みながいっせいに話し出した、しかしジーニアはふとアメーリアが黙っているのに気づいたーータバコの火が見えたーーするとロドリゲスも黙った。グィードの声だけが部屋いっぱいにあふれて何かを説明していた、しかしそれは彼女にわからなかった、なぜならソファーのほうに耳をそばだてていたから。夜の光がガラス窓から射しこんできた、それは雨に映える電光のようだった、そして屋根から雨をつたって、滴り、流れ、あふれてゆく雨水の音が聞こえた。ときおり、偶然に、雨の音と人声とがいっしょに途絶えることがあった、すると寒さがさらにつのってゆくような気がした。そういうときには、目をこらして、ジーニアは暗闇のなかにアメーリアのタバコの火をさがした」 「ふとした瞬間に、道の途中で、ジーニアは立ち止まることがあった。夏の夜の香りが不意に漂ってきて、さまざまな色彩が、物音が、結感の木立ちの影が、よみがえってくるからだ。ぬかるみや雪のなかでもそのことを思い、胸をつまらせて街角に立ち止まった。《きっと来るわよ、季節はめぐっているんですもの》しかしいまのように独りぼっちだと、それはありえないことのごとくに思えた。《あたしは年をとったんだわ、それだけのことよ。美しい盛りは終ったのね》」
- nekomurice@nekomurice1232025年9月7日読み終わった終始女性の扱いが酷くて、合わなかった。あらゆることも過ぎてしまえば「美しい夏」なのかもしれない。冒頭の一文が一番良かった。
- asuka@ask_5102025年8月28日読み終わった借りてきた@ シネスイッチ銀座ラジオを聴いていたら、映画化されたと知って。 映画、読む前ではイメージが固定されてしまうし、読んだ後ではイメージと違う!となってしまうので、読んでいる途中で観た。 観た後また読み始めたら、面白いくらい世界に色がついていた。 https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/9069
- アル子@yamanbalcohol2025年8月19日読み終わった今年の夏の思い出です。 映画に行って、とっても素晴らしくって、勢いで購入。 映画とはまた違う雰囲気。 流れるような文章が心地いいけど、美しい瞬間を逃したくなくて、踏ん張りながら読んだ。 解説はとても勉強になった。 自然主義についてちゃんと学びたい。
- まにまに@-bookmark4502025年8月4日読み終わったかつて読んだ虚空も掴みたくなる衝動が、 何度足掻いても、込み上げて来て、 それでいて玻璃のように脆い感情は 砕けても砕けても砕ききれない季節が、 誰のこころにもあった。 十代の夏ってどこか永遠で、 どこまでも続く気がするけど、 背伸びして恋をしたり、 少し年上の同性に憧れたり。 顧みればそれは美しい季節。 だけど、 当時には当時なりの葛藤や嫉妬や涙なんかあって、その頃、苦しんでいた自分を 放っておく訳にはいかない。 性に対する好奇心や、 初めて体感する愛という疼きから吐き出される息はもう白く染まって、 季節の移り変わりを突きつけてしまう。 そしてその残酷な傷跡に気付かぬまま、 人は彼女を時に少女と呼び、時に女性と呼ぶ。 流血は甘い痺れを模倣して。
- 匙@sajisann2025年7月27日かつて読んだ映画公開が近いけどあまり期待してなくて気になりつつ距離を置いている。 感想でシスターフッドという言葉を見かけるが私はちょっと違うなと思ってる。 無垢は必ず汚されるという作者が動かしがたく感じている真理が、湿った香水のようにずっしりとこの短い小説には焚き込められている。 必ず汚され失われる無垢の反復としての少女たち。 とても陰惨な小説だと思う。
- 傘@umbrella__um2025年5月19日読み終わった都会の片隅で少女から大人になろうとした女性たちのお話。未来が予想できてしまうからこそ、一足跳びに大人になろうとする姿は虚しく、痛々しい。それらは、鬱屈した世界を抜け出すために必要なステップだと、彼女たちは思ったのかもしれない。 映画化すると知って、楽しみにしている。