三鬼

35件の記録
sataka@satakan_4432026年8月7日読み終わった作者が俳人でもあるだけに、俳句論と京大俳句事件への解釈が軸になっている。それで理屈っぽい作品になっているという訳ではなく、主人公西東三鬼はじめ、皆キャラの立った登場人物たちが縦横無尽に活躍するエンターテイメント。終盤の連続した対話劇は、各人物のそれぞれ強固な思想が伺えて興味深かった。三鬼はほとんど時勢に流されっぱなしなのだがそれでも格好良く、一方でそんな人間が危険視される戦時期の狂気も感じられた。
kohhee@kohhee2026年7月26日読み終わった太平洋戦争前夜が舞台で、新興俳句の俳人が主役と聞いて、まあなんか戦争はいかんとか、表現の自由がどうとかそういう話かなと思ったが、全然違った。シンガポールでイギリス総督府の包囲網から水上機で脱出するシーンなんか手に汗握ったね。いや本当に。ほとんど007じゃんって感じだが、なにが面白いって三鬼自身はスパイってわけじゃなくてなんとなくフラフラ流されて気づいたらこうなっちゃうところ。なのになぜかかっこいいぞ西東三鬼。思うにこのキャラクターとしての三鬼の魅力は「決めない」ことにある。それは有季定型を脱した俳句観、女性へのだらしなさ、これまでのキャリア、作中の展開などいろいろなものに表れている。普段物語では勇ましい決断こそ称揚されがちだが、この小説では三鬼の「決めない」強さと優しさが、舞台となっている時局との対比もあって、爽やかで心地よい。
satoreads@satoreads2026年7月15日読み終わった面白かった。事実の羅列というか説明っぽいところも含めて読みやすかった。著者も三鬼も、聞いたことある、くらいだし、俳句の世界も知らない、で手に取ったので、歴史と創作の境目が全然判別できないし、俳句ってそうなんですね、といったん全部受け取る。創造的なものが弾圧されていく理由の描写みたいなものが印象に残る。

五月@gogatsu2026年7月15日読んでる小説コーナーの「時代小説」の棚かな?と思って探したのに見当たらず、検索機で確認したら「エンターテイメント」の棚と。 小説なんてみんなエンターテイメントじゃんと思いつつ買って読んでるけどこれはエンターテイメントだわ…

まつもと@mats30032026年6月29日読み終わった読了。ド傑作。小林恭二の本の中でもトップクラスに面白い。つまり、(少なくとも自分にとっては)世の中にあるほとんどの小説よりも面白い。まるで良質なアニメーション映画を一本観たときのような充実感。講談社は今すぐにこの作品のコミカライズを準備するべし。いくつかのエピソードがパズルのように組み合わさるのはちょっと現代的だなと思いつつ小林恭二の持ち味はそのままあって、さらには偽史みたいなのもあり、なんかもう今年はもう本を読まなくてもいいかもなくらいによかった。































