悲しみの秘義

悲しみの秘義
悲しみの秘義
若松英輔
文藝春秋
2019年12月5日
66件の記録
  • はまタロウ
    @kirute_03
    2025年11月25日
  • Kae
    @kae26
    2025年11月15日
  • 水底を流れていく深い藍色のような書物でした。 収められた26編のほとんどすべてが、なにかが過ぎ去っていくことの悲しみに染め上げられていました。 本書を読むことは、からっぽの青空に沈んでいくような、また、日常のうちに潜む密やかな隙間を呼吸するような、静謐な経験でした。 私たち生き物にとって、孤独や悲しみはむしろ滋養となるもので、そこから生まれる感情に身を浸すことは、世界への扉を開く鍵を手に入れることと同義であると、著者は繰り返しているようでした。 著者が本書において伝えようとしていることは、引用されている古典の多さに比べて驚くほど少なく、同じことが角度を変えて、何度も主張されています。 その中で、本書において非常に印象に残ったことは、私たち読者へ、読書をするだけでなく、「書く」という行為に踏み出すことを勧めている箇所です。 言葉を書いてみなくては、私たちは私たちを気づくことはないと、著者は言います。本当の自分に出会うために、詩や文章を書いてみること、それが難しければ誰かの詩をや文章をノートに書き写してみるだけでも構わないこと、この勧めが何度も繰り返されています。 私は短い詩を書く人間なのですが、今まで他の人の詩を書き写したことはないので、早速今から実践してみようと思います。 もう一つ、本書の中で魅力的に感じた箇所は、越知保夫さんの、パスカルに言及している部分の引用です。 「〔パスカルの〕『パンセ』が我々をつれて行く場所は、そのような高みではない。パスカルは我々をもっと低い場所へ導く。もっと空気が濃密な場所へ。」(pp30-31) 私も『パンセ』は一読だけしたことがあるのですが、その時は低く空気が濃密な場所、という意識は持ちませんでした。むしろ涼しい風が吹く場所、小高い山の中腹のような所にある空気を呼吸した感覚でした。だから、著者と越知さんの言いたいことが今の私にはわかりません。 しかし、引用箇所がとても魅力的な文章であることも、間違いありません。誰かと競うように高みを目指すのではなく、人間の常識や、生きて行くための知恵が集まるような場所で、私も生きていきたいからです。 最後に、本書に挿入される、沖潤子さんの布織物とその写真がとても良かったです。本書は文庫本で250ページくらいの、薄くて小さな本ですが、若松さんの珠玉の文章がたくさん詰まった、宝石箱のような書籍だと思います。
  • makicharu
    makicharu
    @makicharu
    2025年10月14日
  • 鈍獣
    鈍獣
    @whale_in_da_room
    2025年10月1日
  • Shino K
    Shino K
    @Shino_K
    2025年9月27日
  • 悲しみを通してしか得られない光がある、という通底した想いが筆者にはあり、その静かな確信が読む人に優しく寄り添ってくれている。 また、32ページ「読むことは書くことに勝るとも劣らない創造的な営みである」という一節が印象的だった。読み手がどう受け取るかによって、その文章が読み手の中に息づき、完成に近づく。 自分の心に響いた言葉を書き残したり引用することで、自分の中にある「コトバ」を見つけていくこと、少しずつ実践してきたけれど、これからも大切にしたい。
  • 🌾
    @rds_rds_rlly___
    2025年9月14日
  • あまみ
    あまみ
    @amami_books
    2025年9月8日
    悲しみの渦中にいる時に読んでも響かなかったかもしれない。 喪失から時が経ちようやく言葉を吸収することができた。 今このタイミングで読んだからこそ、自分の中に言葉を生み出すきっかけが与えられたと受け止めることができる。 「人生の意味は、生きてみなくては分からない」 誰かの死に触れるたび意味について問いが浮かび上がる。 その答えを死ぬまで探し続けたい。
  • 何かのオススメに出てきて、そこに書かれた書評に引きづられるようにしてポチッとして買った。正直、読むのが、向き合うことに少し怖さがあった。開いて、最初の数ページを読んで閉じた。 父と母を続けて亡くし、親友のご主人も若くして亡くなり、命の灯が簡単に消えてしまうことが続いて、生きることが怖くなった時期だった。 あれから4年。ここで皆さんの書評を読んでいて、今なら読めるかもしれないと思った。少しだけ心が前に進んだ気がする。 本棚の奥に隠してしまったこの本を取ってきます...
  • さあこ
    さあこ
    @sayaka222b
    2025年9月1日
  • はなこ
    はなこ
    @goma_hnk
    2025年8月30日
    言葉にならない部分にこそ想いはあって、それでも言葉にすることを諦めたくない。相反するような、不思議な感覚になった。 読んでいると心が静まっていく。どうしようもなくなったときにまた読む。いや、どうしようもなくなる前に読んだほうがいいかも。
  • はなこ
    はなこ
    @goma_hnk
    2025年8月28日
    “人生の意味は、生きてみなくては分からない。素朴なことだが、私たちはしばしば、このことを忘れ、頭だけで考え、ときに絶望してはいないだろうか。” p.78 続きを読もうと、しおりを挟んだページを開いたらこの一節が目に入ってきて、ハッとした。私は、いつだって頭で考えすぎなんだ。
  • ヲキ
    ヲキ
    @honyomyo
    2025年8月25日
  • えびちり
    えびちり
    @ebichiri
    2025年8月10日
  • ひさ
    ひさ
    @hsysy
    2025年8月8日
  • Blue moon
    Blue moon
    @mimosamimi
    2025年8月6日
  • つばめ
    つばめ
    @swallow3
    2025年8月6日
  • はな
    はな
    @hana-hitsuji05
    2025年8月6日
    何年も前に立て続けにつらいことがあって、とどめのように友達が闘病の末に亡くなった時、どうしても、どうしてもこの悲しみを乗り越えることは出来ないと思った日々があって、そんな時にこの本に巡り合った。 そんな時期に読んだので一言一句覚えているわけじゃないけど、なんか映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のことも思い出された。 いつまでも悲しんでいたら亡くなった人が可哀想、心配するよみたいなプレッシャーを、故人本人から思われるならまだしも何の慰めにもならない赤の他人からそれを放たれたりして、なんとかバランスをとっている最後のピースを奪われそうになった気がしてびっくりするくらいしんどかった。 友達が亡くなった後、耐え難いほど寒く長い冬が来て、こんなにつらい季節を彼が味わわなくて良かったのかもしれないと無理やり意味付けしてなんとか耐えた。 この本は確か、誰かを失った悲しみを肯定してくれたというか、ほっといてくれた記憶。 悲しみがなくなるかなんてわからないし、自分も今もまだずっと悲しいよ、と言ってくれた気がする。 あの嵐の時期に読んだから正確じゃないかもしれないけど、そう覚えてる。 だから時々、悲しくて立ち上がれないしんどい人に出会うと、ずっと悲しくてもいいんだよ別にと思いながらこの本を贈ることがある。 悲しい気持ちを悲しくないとか偽ったり、時間が解決してくれるという言葉を知ってはいるけどまだ飲み込めない期間は絶対あるし、その長さは人によって違う。 今もやっぱりまだ悲しいの風穴は胸に開いたままだけど、それでもまだ生きているな、そういえば。
  • はなこ
    はなこ
    @goma_hnk
    2025年8月6日
  • 大切な人を喪った者を最初に襲うのは悲しみではなく、孤独である。だが、逝きし者をめぐる孤独は、不在の経験ではない。それは、ふれ得ないことへの嘆きである。悲しいのは、愛するものが存在しないからではなくて、手が届かないところにいるからだ。(p.144「孤独をつかむ」) この本を手にとれてよかった。読みはじめ、読み終えることができてよかった。点滅社『鬱の本』のように、これから何度も読み返すと思う。今年4月、母方の祖母が亡くなった。6月には、父方の祖母が倒れ意識を失った。かけてくれた言葉、つくってくれたご飯。何度も何度も思い出すけれど、もう味わうことはないのだな。寂しい。それでも、私の中に生き生きとおばあちゃんがいて、孤独に「ようこそ、これが人生です。おめでとう御座います」と祝福されているようだ。
  • 「愛するとは、それが何であるかを断定しないまま、しかし、そこに語りえない意味を感じ続ける営みだとはいえないだろうか。誰かを愛し続けているとき、私たちはその人と生きることの、尽きることない意味を日々、発見しているのではないか。」(p.038-039) どうして夫と一緒にいるのだろう、いたいのだろう。そんなことをフラフラ考える日々に光をくれることば。なんらかの意味を感じている、だがその意味は固定されることはなく、これからも更新され続ける。なんてワクワクするのだろう。悲しく、寂しく、腹が立つ、そんな側面もある結婚生活・人生だが、発見がある。嬉しい。
  • ang
    ang
    @angorausagi
    2025年6月18日
    chatgptがすすめてくれた本
  • 黎明
    黎明
    @re_me_
    2025年6月16日
  • Yooki
    Yooki
    @ange__blanc
    2025年5月31日
    悲しいことがあったので。
  • だるま
    だるま
    @daruma_0106
    2025年4月28日
    大切な人を失った親にプレゼントするために読んだ。読んで、私も心震えたし、親にも自信を持って贈れると確信した。全ての小編がかなしみや死を扱っているわけではないけれど、通底する低音みたいなものがとても静かでかなしみに満ちている。
  • だるま
    だるま
    @daruma_0106
    2025年4月26日
  • sui
    sui
    @suibook
    2025年4月25日
  • きまや
    きまや
    @kimaya
    2025年4月23日
  • 諸処
    諸処
    @shosho
    2025年4月13日
    P.108 14 花の供養に
  • 金柑
    金柑
    @kinkan_kinkan
    2025年4月12日
  • 滝川
    滝川
    @theyaregonefor
    2025年4月6日
  • シホ
    @shiho_photo
    2025年4月1日
  • 喜多倉
    喜多倉
    @kitakura473
    2025年4月1日
  • Lusna
    Lusna
    @Estrella
    2025年3月28日
    石牟礼道子さんの引用文を桜の咲く頃に毎年読む
  • 朔
    @mutsunohana
    2025年3月26日
  • ono
    ono
    @rosepivoine_
    2025年3月16日
    p.42 p.191
  • しの
    しの
    @shino3
    2025年3月13日
  • ほのか
    @cuuhono0127
    2025年3月12日
  • あ
    @asaimizu
    2025年3月11日
  • 救済
    救済
    @Kyusai_Yochi
    2025年3月10日
  • mizushima
    mizushima
    @_mizu_shima
    2025年3月9日
  • Sasao
    Sasao
    @86bunko
    2025年3月9日
  • Rie
    Rie
    @rie_books
    2025年3月8日
    本棚に“若松英輔さんコーナー”があるくらい、若松さんの本が好きです。 読むたびに、いつも考えさせられる。生きるヒントをくれる。人生に寄り添ってくれる。“コトバ”の大切さと重み、読書の魅力と良さを教えてくれたのは若松さんです。
  • さつき
    @iwcy205
    2025年3月6日
  • chii
    chii
    @msm__38
    2025年3月6日
  • なか
    なか
    @b_ook3n
    2025年3月6日
  • ほしば
    ほしば
    @HOSHIBAASAMI
    2025年3月6日
  • リ!
    @ri_0o0o
    2025年3月6日
  • はち
    はち
    @Hachi________
    2025年3月6日
  • み
    @arimi
    2025年1月26日
  • あるる
    あるる
    @aru_booklog
    2021年9月24日
    コロナ禍に読んで、大切な人が亡くなって少ししてからまた読んだ。お守りみたいな本です。
  • Nonn
    @Nonn
    1900年1月1日
  • mz
    mz
    @juni613
    1900年1月1日
  • mizuka
    mizuka
    @bookmii
    1900年1月1日
  • 水野
    水野
    @pitn1008
    1900年1月1日
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