言葉と出来事
68件の記録
Yamada Keisuke@afro1082026年9月26日読み終わった『Forget it not』、『now loading』がオモシロかったので、最新作も読んだ。『now loading』の続編的な位置付けの育児日記としての側面が色濃く出ていて楽しく読んだ。 2023年〜2025年までの日記に加え、あとがきでは日記論、附録では哲学者の古田徹也との対談が収録されている。日記のスタイルは『nowloading』と同様、タイトルはなく末尾に日付だけ記されてあり、余白をたっぷりとった、改行も含めて見栄えを重視した構成に、著者の美意識が改めて感じられる。基本は見開き2ページだが、たまに1ページのみで片側が完全な空白になっている箇所があり、平板になりがちな日記に構成上の抑揚を生み出していた。文章が冗長になりがちな自分からすると、これほど端的に表現できることが羨ましいし、その切れ味のよさは、著者の泰然自若さを象徴しているとも言える。 前作から引き続き、育児に対する著者のフレッシュな視点は目から鱗である。ほぼ同年齢の子どもを育てているのでリアルタイム性が高く、自分ごととして読めた。『now loading』では、子どもにフォーカスされていたが、本著ではレンジが広がり、パートナーも含めた家族3人の生活が丁寧に描かれている。日記が進むにつれて情報が少しずつ明らかになり、家族像が立体的に浮かび上がってくる構成もオモシロかった。絵に描いたようなシティライフの中に、育児がロウな形で放り込まれてくるところがリアルだった。言葉についての本でもあり、哲学を中心に難解な内容が引用される一方で、息子がポケモンに熱中していく様がかっこつけることなくそのまま書かれている。このバランス感覚は日記だからこそだろう。 そんな「言葉」の観点で興味深かったのは、2024/2/13の日記「ありふれた表現について」。もはや言葉は手垢まみれであり、独自性を持ちうるのは組み合わせだけだという指摘は、日常的に日本語ラップを聴いている身として深く頷けるものだった。AとBの組み合わせで新鮮さを模索すると、その過程でA、Bそれぞれの言葉自体が陳腐化していく可能性については考えたことがなく、新鮮な視点だった。そしてこの陳腐化から逃れる術は「中身のある文章を書くこと」だと結ばれていて、ラップのリリックも同じで、結局後世に残るのは中身のあるものなのではないか、と考えさせられた。 友人からの「保守的になった」という指摘に対する著者の答えも印象的。昔に比べると、自分自身も守りに入っていることは否めないが、著者の言うように「深さ」を追い求めていると思う。 たしかに子供ができて行動半径は狭くなったかもしれないけれど、つまらない言い方をすればその代わりに深い穴を掘るようになったし、でもその深さは見えないのだと言われて、それはそうかもしれないと思った 附録の対談でピックアップされていたこのラインもまさに!と思わされた。最近、園まではたどり着くのだが、毎日のように下駄箱前で行き渋っている。そうなってくると「そもそもなんで預けているのか?」という考えが頭をよぎり、自分の仕事の価値と子どもの存在を、頭の中で天秤にかけることがしばしばあり、そんな感情がずばり表現されていてハッとした。 私の身体は楽だし仕事も進むので良いのだが、子と親と祖母で遊ぶこと以上に意味のある仕事なんてあるのだろうかという気持ちもある。 さまざまな人物が登場する点も読みどころだ。翻訳つながりで斎藤真理子、精神科医つながりで宮地尚子など、本で読んだことある人物たちが急に登場して驚かされる。なかでも意外だったのは、ダイアン津田である。その粋な登場はまるでドラマのワンシーンのようだった。前作で登場した総合格闘家の阿部大治然り、意外な人が日記の中に突如登場すると謎か妙にテンションがアガってしまう。 あとがきでは思いもよらない今後の展開が明かされていて驚いたが、ぜひこれからも著者の日記を読ませてほしい。
なかやま@asheepinthewell2026年9月24日読み終わった精神科医の日記なのですが、なんだか不思議な本。目次には日付と見出し、でも本文には見出しはない(目次は「その日の要約」ということか)。日付は日記の最後に。普通に何をした何を食べた誰に会った、読んだ本の引用やお子さんの成長ぶり、など簡潔に記録しただけで、妙に読み応えがあるんです。文才があるのだろうと言えばそれまでだけどなんなんだ...









Marua@marua2026年8月10日P.158 喫茶店での出来事。常連のカナダ人が店員に「生ハムって英語でなんて言うんですか」と聞かれ、数秒固まっていたという描写があった。 「しばらくして、ah, prosciutto. とよほど安心した様子でつぶやいた。 おそらく彼の短い沈黙は、外国語として自分の知っている言葉が母国語で失われているのに気づいたことの、足元の崩れるような怖さだっただろう。隣に座っていただけの私まで鳥肌のたつような一瞬だった」 自分の記憶として残りそうな、印象的なくだり。

Marua@marua2026年8月9日挙げられている本は読んでないものがほとんどだし、引用されている文章もよくわからなくて何度も繰り返し目で追うことに。でもおもしろく読んでいる。子どもの成長、季節の描写、本屋に行った、喫茶店で本を読んだ、〇〇を食べたなど、日々のちょっとしたことが記録されていて、その混ざり具合がちょうどよい。 前著に引き続き、妻Tさんの発言も興味深く、夫を「阿部くん」と呼んでいることも今回わかった。 ふとした言葉や映像がきっかけで、以前感じたことや考えたことにつながる瞬間があるが、そういうことを自分も記録していきたいと思った。
JUMPEI AMANO@Amanong22026年8月8日まだ読んでる@ カフェ2025.3.26、日記パート読み終わる。 〈小尾(俊人)さんは、鶴見俊輔がマンガのような大衆文化を評価するのは、生まれがいいから庶民コンプレックスがあるためで、自分は田舎者であるから、そのような幻想は全然ないと言っていた。(加藤敬事『思言敬事』) 自分も全くその通りなので、思わず笑ってしまった。〉(154頁)

JUMPEI AMANO@Amanong22026年8月8日読み終わった@ 自宅あとがきと特典ペーパーも読み終わる。日記はからずしも〈自由奔放な書式〉ではなく、〈書かれる事柄がかなりの程度まで縛られている〉(が、それでも...)という話、面白かった。

JUMPEI AMANO@Amanong22026年8月7日まだ読んでる就寝前読書お風呂読書@ 自宅2024.12.17まで読む。 〈学問礼賛は耳に心地よいものだが慎重に聞かないといけない。 外国の難しい本を翻訳していてもその国の人と立ち話できない学者は多い。 それで文化風土とか時代精神を語るのはおかしなことだ。〉(71頁) 〈子供がいるとたった一回の土曜日が夏休み全部をまとめたくらいに大きく感じる。〉〈92頁)



さつき@satsuki_reads2026年7月16日読み終わった精神科医で翻訳家、育児もされている著者による、子どもがひとりで本が読めるようになるまでの日記。 子どもの言語獲得の過程や、その日の出来事を通した著者の思考が克明さをもって描かれているのでとても面白い。 「かんがえる」の中心的語義は〈みなす〉か〈計算する〉かでふたりが互いに譲らなかった話が好き。

ルビ@ruby2026年6月20日読み終わったまた読みたい20260620 昨日から読んでる。新宿紀伊國屋で、金曜仕事終わりに目について買ったもの。 ▪︎概要 精神科医であり翻訳もしているらしい、阿部大樹さんの日記まとめ。 1日見開き1ページの分量で、人との(おおくはお子さんの言語獲得の)関わりで感じたことなどが書かれている。哲学書の韻文が多いのも特徴的。 ▪︎感想 人の日記を読むのは初めて。他の人のも読んでみたい。 たまに出てくる哲学的な引用と思考については若干前提知識を必要にするため分からないところもある。でも他人の日記なんだからそれでいいじゃんと思う。 もちろん真面目なんだけど、多分真面目すぎないのかな?家族をしっかり大事にしている。本文にもあるが幼少期をいろんな国で過ごした人に共通した「身軽さ」があると言っていて、その「身軽さ」を「客観性」として感じた。日記は振り返って書くものだから、そりゃそうか。 ジャケとタイトル買いと言ってもいい。今日昨日発売のフロアの隅っこに壁に横置きされてるものの中で、静かな感じがあって目についた。中身パラパラ読んで、枡野浩一さんと会った時の内容がすごく良くて、買った。 他人の日記なんだから、内容を覚えて…というもんでもないと思う。また読み返して違う感想を抱きたい。 自分の日記と比較してみて、違うな…でも最近のは似てるかも。やったこととかは書いておきつつ、思ったことに重点を置いて書いておくのは、後から読んで面白い気がする。日記書いていこー
ON READING@onreading2026年6月19日読み終わった@ ON READING精神科医として働きながら、学術書の翻訳家としても活躍する阿部大樹さんの日記集。本書には、お子さんが初めて一人で本を読めるようになるまでの約一年間が記録されています。 言葉を獲得し、世界を広げていく子どもの変化と、それを見つめる親の思索。 印象的なのは、「何が起きたか」よりも、「そのとき何を考え、何を感じたか」に重心が置かれていること。出来事は覚えていても、そのときの思いや考えは驚くほど簡単に失われてしまいます。本書は子育ての記録であると同時に、一人の人間の思考の軌跡を残した貴重な日記でもあります。 なかでも心に残るのは、お子さんとのやりとりです。言葉を覚えたばかりの子どもの表現は、驚くほど自由で伸びやか。私たちは円滑にコミュニケーションをとるために言葉の使い方を共有していきますが、その過程で視野や考え方まで狭めてしまっているのかもしれない――そんなことを考えさせられました。 哲学者・古田徹也さんとの対談「書くことについて」の付録冊子も封入。その人の、その瞬間にしか生まれえなかった言葉や思いが、たとえわずかだとしても宿る(宿ってしまう)のが日記という形式。明日には忘れてしまうような小さな出来事を言葉として残すこと。そのかけがえのなさをあらためて感じさせてくれる一冊です。









- まろやかスープ@maroyaka_soup2026年5月1日気になる読みたいTwitterで芋づる式に発見。表紙と帯だけで「言葉」「日記」「精神科医」興味関心のあるワードがたくさん。「断想」という熟語は初めて見た。浅学。シンプルな表紙がまた美しく、内容が気になります。













































