海と毒薬
59件の記録
Old Sport@scott_fitzgerald2026年8月26日読み終わった日本文学①⓪⑧⭐︎⭐︎⭐︎★ 僕たち日本人には神様はいない。罰を嫌う意識はあっても、罪を嫌う意識はない。それを見事に描き切った作品である。 生体解剖という、倫理的にあってはならない非人道的な行為であるとわかっていながら、その行為に加担してしまう、あるいは断ることができない、日本人の弱さ。日本人に神様がいたのなら、明確に断ることができたのだろうか。良心が踏みとどませてくれたのだろうか。 また、本作は、当時の時代の社会構造ヒエラルキーを上手く描写している点も見事である。 春玲はこう述べる。「西部軍からアメリカ人捕虜に至るまでをカバーする複雑な身分階級のピラミッド型構造が『海と毒薬』の中で紡ぎ出されている。この構造の下層に位置する施療患者や女中、アメリカ人捕虜などは、同構造の上層部に身を構える人々にとって、いとも簡単に切り捨てられる存在である。いわば身分社会から取り残された「棄民」である。白い人と黄色い人という人種の問題だけではなく、日本人と「満人」、さらには日本人内部における地方人と東京人の差別化などは、当然そのまま戦争末期における日本社会の世相を照らし出していると思える。」 あらすじ(wiki) 引っ越した家の近くにある医院へ、持病を治療しに通う男。男はやがて、その医院の医師・勝呂(すぐろ)が、かつての解剖実験事件に参加していた人物であることを知る。 F市の大学病院の医師である勝呂。彼は、助かる見込みのない患者である「おばはん」が実験材料として使われようとすることに憤りを感じるが、教授たちに反対することが出来なかった。当時、橋本教授と権藤教授は医学部長を争っていたが、橋本は前部長の姪である田部夫人の手術に失敗し、死亡させてしまう。名誉挽回するために、B29の搭乗員の生体解剖を行い、勝呂と戸田も参加することになる。
カフェラテ@coffeemilk2026年8月15日読み終わった図書館本どのように感想を書いていいか正直わからない。 実際事実関係としては小説のモデルとなった事件があったのは事実。 実在の犯人たちの内心がどうだったのかはわからないけれど、日本人にはほかにも人体実験をした事実があるし。(731部隊) 人間は案外平気で残酷なことができてしまうのではないかと思う。 二度と同じ過ちを起こさないように厳しいルールを作っておく以外にない。



rkm @ All you need is 💙🩷️@rkm172026年7月4日買った読み終わった読書メモ先日挙げた新潮文庫版との決定的な違いは、この角川文庫版、冒頭に話の流れがわかるあらすじが2ページ分ついていること。 あと解説も実際に起きた九大の事件の内容のほうにフォーカスしてるかな。(小説はあくまで実験の事実だけは同じだけれどフィクション。そこにいたるまでの大学病院の実情も登場人物の描かれ方も著者の創作ですが)小説の刊行により当時、当事者が取材を受けたのか色々と「真実」と違う点を主張したりとか色々あったようです。


キイロノシャクナゲ@dondondontaroo2026年5月26日読み終わったえっここで終わるのってとこで終わったが続きがあることを投稿で知った。よかった。 沈黙を読んで、ほんとにこの人クリスチャンなのだろうかと思いながらも、まあ人それぞれの信仰があるということかと思えば、いまのところやはりクリスチャンなのか怪しい。 良心の呵責があるのはわかるが、戦時中にはそれぞれの役割があって、向こうから見たらこちらは敵、向こうはこちらから見たら敵であることは間違いないのだから、どうしようもないのではと感じてしまった。

らむ太郎@Philoctetes39552026年3月2日読み終わったあらすじを読んで気になったので購入して読みました。 とても良い本でしたが今の自分には難しいところも多かったのでもう少し歳をとったらもう一度読み返してみたいと思います。 続編も買ったので読むのが楽しみです!
廣 亜津美@hiroatme2025年3月7日かつて読んだ映画の後に原作を読む。捕虜への実験を通して考える、日本人の倫理観。とはいえ、遠藤周作のいうキリスト教的な倫理観がどれほどなのかと反論したい気も起こってきます
やん@grilledyangyang2023年11月24日読み終わったかつて読んだこちら、先週出張した際、朝の新幹線で読了しまして。 口角下制筋と下唇下制筋に力が入った状態で、目を細めながら読み終わり、心がつらーい状態で現地入りしたことをご報告します。 気分が落ちているのに、どんどん読み進めちゃうんですよね。なんで? ドM? 第一章の手術シーンがさぁ、めっちゃ痛そうでさぁ。本なのに顔を遠ざけて、薄目で読むって体験を初めてしたかも。マジで唇が「いーー」ってなるくらい生々しい患者の意識に放り投げられた感覚。これぞ巨匠の筆力よ。 第二章では二人の手記が出てきて、もう胸糞でイライラ。看護婦はマジで無理。戸田も腹立つわー。 と思って読んでいたんだけど、二人とも単純な極悪人ではないんだ。 戸田なんかは、自分自身の性(さが)を冷静に内省した上で実験に臨んでいる。その姿勢はすごいな、と純粋に思う。 ラストのおやじが「こいつは患者じゃない」と叫んだ場面、なんか絶望感が半端なかった。 悔しいんだろうな、すべてに諦めたんだな。 勝呂もまた、運命に諦めてしまったんだなぁ。 『海と毒薬』は「日本人の罪意識」を描いた作品だとよく言われるけど、これ、日本人だけの話じゃないと思う。 『沈黙』でも海は運命を暗示するような描写があったけど、運命や環境、組織の空気や同調圧力に飲まれてしまうこと自体は、どこの人間社会でも起こり得る。その中でも倫理の側に立ち続けられる人間は、むしろ稀なんじゃないか。 人はいつでも、酷いことをする側に立ててしまう。 これは戦争や医療の話だけじゃなく、児童や障害者への虐待のような問題にもつながる得る。 でも、そうした行為をする人間は、決して最初から「悪人」だったわけではない。 「自分はあいつらとは違う」と思った瞬間に、もう危ないのかも知れない。こうした優越感と人間の弱さは『沈黙』でも描かれていたが、遠藤周作はそうした日本とヨーロッパ、日本独自の宗教観とカトリックとの隔たりを常に感じていたのかも知れない。 あとさ、私はずっとあの続きがエピローグに来ると思って読んでたんよ。後日談というか、戦中とプロローグの中間期が気になるんよ!!勝呂はどんな生き方をしてきたのか!! 続編かスピンオフないの!?読みたい読みたい気になるぅ......読者の想像欲を引き出す天才か??? ……と思ってたら、なんと『悲しみの歌』というほぼ続編があるらしい。 これは読まなくては。 ちなみに、私が読んだのは角川文庫版なんですが、この青一色に本文の一節が書いてる版の表紙が好きです。























































