掌の小説
103件の記録
沙南@tera_372026年8月16日読み終わった「谷には池が二つあった。下の池は銀を焼き溶かして湛えたように光っているのに、上の池はひっそり山影を沈めて死のような緑が深い。」(『骨拾い』冒頭) ほかの本と並行しながら、少しずつ嗜んでいた掌編小説集。すべて読み終えてしまうのが勿体無いほどだった。彼の描く世界にずっと身を委ねていたい。 普段、短編集はあまり手にとらない。なぜなら私には集中力というものが欠如している。短編集だと、物語の内側へ没入しきる前にだいたい話が終わって、次へいってしまうから、さみしい。 だけど、川端作品にはそれがない。冒頭一文目から入り込んでしまう。鳥瞰した景色と顕微鏡で覗いたような細部が、ひとつの文章の中に同居しているのが独特で、それを違和なく描ききる筆致こそが、この没入感を生み出す理由のひとつなのだと思う。 すべての物語が一枚の絵画のようであるのに、ひとの呼吸や風の音、虫の声はたしかに聞こえてきて。なんというか、彼は絵を描いても大成したんじゃないかな。 なかでも、無色透明であるはずの動詞(人の行為そのもの)に色を宿す表現には、畏怖すら覚える。たとえば、「黒く黙る」とか。「赤くなる」のように、状態の変化を説明する使い方はよく目にするけれど…すごすぎ。こんな表現は私には思いつきもしない。もはや共感覚そのものの世界なのに、読めば万人がすっと理解できるのもすごい。そういう黙り方、たしかにあるなって納得しちゃう。 しかも、独創的なのに衒いや驕りは見えないし、「どうだ」と見せつける感じもないところがたまらない。その自然さが粋だ〜。 日本語の美と可能性を、純粋に、極限まで突き詰めたひとなんだろうなあ。彼のこの色彩への執着は、いったいどこからくるのだろう。盲目のおじいさんの分まで目を凝らして、世界を隅々まで見つめようとしていたのかな。 【すきな短編メモ】 ・日向(川端さん、これって実体験ですか?記憶とともに日向へ連れ出したいなんて…素敵) ・金魚(不穏さと麗しさの調和) ・馬美人(バビジンって読むのがすきすぎて🐎) ・百合(まじすき綺麗すぎ) ・十七歳(あったかくて切ない) ・化粧(作者も解説も不可解って言ってるけど、私は彼女の笑みの理由がわかる気がする) ・かけす(私も爪に白いのができたら、星って呼ぼう) 小川洋子さんの解説には大納得でした…。 正直キモいなってのも何作かあったけど、 美しいので尊敬の方が勝ちます⭐️

- タケチ カツエ@katsue2026年8月9日三等待合室 この小説も「古本食堂 新装開店」のなかで知ったもの。 森瑤子の小説と対比しての紹介だったが、読後暫く考え込んでしまった。 森瑤子の一等待合室は、すんなり懐に落ちるような感じがあったが、これは謎が多いと思う。 男は三等待合室ではなく、普段は一等もしくは二等の常連だったのか。読みはじめ、わたしはこの男は二等もしくは一等がふさわしいと思う女性を、崇めて憧れをもって好きになったのだと思っていた。しかし読後、この男は自分のステータスに近い女に、安心して逢引のスリルや情欲を持っていたのかもしれないと思えてきた。 巡礼に出る高齢者夫婦に、人生の重みを感じたのにそれは犯罪者の逃亡姿だったのと同じく、同じステータスだから安心していた恋人が、まさかずっとつましい生活で自分をだましてひとときの夢をみていたのか、もしくは自分のもつ財力のオーラに好意を持っていたのかと思い巡らしたかもしれない。 しかし、それではあまりにも今まで情のない逢瀬の時間ではないか、嘘でも真でもひとときの夢としようという話ではないかと受け取った。
きん@paraboots2026年2月15日気になる読みたい高校の頃の教科書に載っていたことを思い出す 当時はあまり本を読まなかったし、読書に興味すらなかったが、この本は読んでみたいとおもったような記憶がある 時を経て今どうなのか、という感覚で読んでみたい







まさyo!@not_mayo2026年2月12日借りてきた「神います」が話題になっていたので。 読んで、私は(話題になっていたようには)救われないと絶望してもう一度読んだけれどやっぱり「でも傷つけたんですよね?」と思ってしまった。

noelのゆったり読書@reads_noelsyljy2026年1月31日読みたい読み終わった選ばれた言葉たちが等身大だからこそ美しく、歳を重ねた後にもう一度読みたいと感じさせます。 素直に言うと、私のような若造には咀嚼しきれなかったものが悔しくもまだまだありそうでした。 人生という時間の中で、じっくりコトコトしながら美味しくいただきたいです。 ちなみに好みだったのは 『バッタと鈴虫』『母国語の祈祷』『舞踊靴』『雨傘』『化粧』『妹の着物』- しっぽ@tail_reading2026年1月22日読み終わった読了。 2026年ベストどころか、一生大切にしたい本に出会った。 私は銀ねず、撫子色、白つるばみなど日本の伝統色の名前が大好きなのだが、そんな色がたくさん詰まった短編集だった。 題材もけして古くなく、今でいうフレネミー、毒親、不倫、キャリアウーマン(広義の)、離婚にまつわる話なども登場する。 個人的には戦前に書かれた話が好き。「舞踊靴」「神います」「妹の着物」に特に衝撃を受けた。


はちむら@hatch-me2026年1月19日読みたい個人的な恨み(地元をディスられた)から食わず嫌いしていた川端康成、「散弾銃のような美しい文章」なんて言われたら、さすがに読まずにはいられないじゃない!
Kenji@yagaken2026年1月13日読み始めた川端康成が見る人間が好きだ。 彼の態度は、どこか虚しい。けれど、その中には人を受容する広さがある気がする。 この短編集をとおして、私にとっての川端康成を理解したい。

夏雲飛行士@seaearth72026年1月11日買った読み終わった不思議な話、切ない話、苦しい話、恋の話。色々なバリエーションの、どれも確かな輝きを放つ掌編たち。川端康成の珠玉のようなストーリーテリングに酔いしれた。
miki@mikis2025年12月20日読み終わった百遍を超える掌編小説集。 ほんの二、三ページの作品の中にこんなにも世界を作れるのかと。 人生に起こる出来事や日常、その日常からふっと離れて作り出す世界、こんな多様な視点で生きられるってどんな感覚なんだろう。 2025.1.2







ゆず@yuzu_0042025年8月18日読み終わったエッセンスがぎゅっと詰まっている感じで、各話読後の満足度が高かった。 川端の描く女の子は可愛らしくて元々好きだけど、温度感のある子と、そうでもないけど近づくと薄ら温かみのある子が出てきてどちらも魅力的だった。 全部読んだあとに読む小川洋子さんの短文がまたするする入ってきて良かったです。 1番印象的だったのは「不死」




































































































