自分のあたりまえを切り崩す文化人類学入門

60件の記録
- べりん@ngske942025年8月25日読み終わったとても面白く読み進められました! 私自身が持つ「当たり前の考え方」を問う事例をもとに内容が進み、最後にそれらを踏まえて文化人類学とはどういう学問かを明らかにしてくれます。 読み進めて興味深かったのは、文化人類学は成果を出すのに非常に時間と労力を要する点です。 現代社会は情報化が進み、インターネットやテクノロジーも発達したことで、我々は欲しい答えに簡単にアクセスできるようになりました。 私自身も、調べ物はすぐにスマホで検索し、手っ取り早く知識を得ることがよくあります。 一方で文化人類学の研究は、多様な考え方を理解するために研究者自身が実際に異文化の地域に身を置き(現地の言語を学習し、原住民と共に生活する)、そこで気付きを得ることが成果となります。 それは文字通り、一朝一夕では得られないものです。 凄く効率悪いじゃん!と思ってしまいますが、自分に確立された常識や考え方と異なるものに触れ、新たな考え方を見つけるとともに、自分自身が意識していなかった考え方を自覚出来ることが文化人類学の魅力なのだと思います。 この本を読んでいるだけでも、読者自身の考え方が当たり前ではないと気付く場面がたくさんあると思いますよ。 例えば私は、葬式を2度行う地域があることに驚きました。 私(日本人)とは異なる世界観を持っていることに起因するのですが、それは実際にこの本を読んでみてください。 世の中、簡単に得られる情報ばかりじゃないよなと改めて思いました。 文化人類学のように世界の異文化を対象にしなくても、身近な人(たとえば気の合わない上司とか)を慮れるようになるきっかけの1冊になりました。
- ズズキ@zukkiziburi2025年5月6日読み終わった民族境界論の民族の境界を作るから文化の違いが強調される。同じ文化を共有するもの同士が同じ民族なわけではない。 民族っていうのはとても人工的なもので、 地続きな大陸をイメージすれば分かるように、全てをカテゴリーに収めることはできない。 人が作った物なのに新しい発見であるかのように興味深く感じる私も、なんだかおもしろい