コード・ブッダ 機械仏教史縁起

99件の記録
- あるる@aru_booklog2025年5月10日読み終わった半分を超えたあたりから急速に面白くなり、最終的にはこれディストピア文学じゃない...?!ぐらいの気持ち悪さが残り、でもこれあくまで仏教教典なのか...?と振り回された小説だった。めっちゃ楽しく振り回されました。人間とAIの違いって定義付けするのどんどん難しくならないかい?というのと、いつまで私は自分や人間のことを機械より信じられるんだろうという怖い問いが残る。
- 柿内正午@kakisiesta2025年4月27日読み始めた“「舎利子」とわたしは呼びかけ、規定の文章を読み上げていく。「実際のところ、あなたのような症状は珍しくない。この症状は生真面目な者に、そうしてある程度以上の規律の下に育った存在に多く見られるものだ。こうした症状を呈する者はみな、意思疎通についての期待度が高いことが知られている。自分からなにも言わずとも気持ちはわかってもらえるし、自分は相手の気持ちがわかると判断している。自分の暮らしぶりは誰からも認められるものであるとわかっているし、自分は多くの者の生活を大切に真摯に捉えていると考えており、自分は右でも左でもない中道であると主張する。全体を俯瞰する目を備え、不偏不党で公正な判断を下してきたという自負がある。言葉はひどく透明なものであり、まるで存在しないと考えていると言ってもいいかも知れない。単語のひとつひとつに躓き、一音一音にためらいを覚えることなどはない。そんなことをしていては魚はおぼれてしまうから。心臓は自らのリズムが外れることに不安を抱いたりはしない。 でも実際のところ、こうして高速、大量の情報のやりとりが実現してみて判明したのは、言葉や気持ちは全く透明なものではなくて、ふとすると、もつれにもつれて機能不全に陥ってしまうものだったということだ。かつてスパイ小説はフィクションだった。フィクションだったがフェイクとは異なるものだった。今でもそれはフィクションだけれど、どちらかというとファンタジーに近いものになってしまったことは否めない。なぜかといえば情報が陰謀が整然とやりとりされるような諜報戦は存在しないことが明らかになってしまったからで、敵と味方の間のクリアなやりとり、だまし合いが整然と進行するなんてことは起こらないと白日に晒されてしまったからだ。これは戦争についても同様で、双方が整然と、相手の意図を読み取りながら先読みの先読みの先読みをしながら争うような戦争の描写は今やファンタジーでしかありえなくなってしまった。おとぎ話としてはそれがいい。なによりもわかりやすいし、何にしたって結末は大して変わりがないから。 つまり、あなたのような症状は、存在しないフィクションを求めて成立させるためにフェイクが必要となった段階で生じる典型例にすぎない。自明な敵、正当な味方、歴然とした証拠。戦争を制御する軍産複合体に、売り上げを優先して人命を無視する製薬会社。自らの利益のために国民を無視する政治家、でっちあげられていく環境問題。お話をクリアにするためにそうしたフェイクを信じることになりがちだ。なぜならばそちらの方が筋が通るし、血湧き肉躍る刺激が得られるからだ。ニューロンのネットワークを簡易に刺激することが可能となるから中毒性も高いし、慢性化しやすい。そうした者たちは言葉が透明ではないことを認められず、この世に意図がないことを信じられない」”
- りおかんぽす@riocampos2025年4月8日読み終わったとうとう読了。壮大な与太話であった(褒めてる)。オチは柔らかめで少し物足りなさもあるが、黙示録みたいに全てぶち壊しなことにならないのが仏教か。 9章でZen of Pythonが出てきたが、12章ではRuby言語の根本思想「Don't Repeat Yourself」(DRY思想)が出てきた。PythonistではなくRubyistな私、歓喜。 地球(テラ)と寺を掛けるネタは竹宮惠子「地球へ…」のパロ作品でも見かけた地口。 ランダムのなかに全ての情報が含まれているネタは、昔に読んだカール・セーガン「コンタクト」での、無理数の円周率に全ての情報が含まれている的な話と繋がるかな。 図書館で借りたが、再読したいので購入すべきかと思っている。
- りおかんぽす@riocampos2025年4月4日読んでる9章を読んだ。機械仏教史。いきなりZen of Pythonが出てきた。そして量子コンピュータやら圏論やら量子トランスポーテーションやら粒子スピンやら…これ連載してたの「文學界」だよな、「SFマガジン」じゃないよな?とどめに「銀河鉄道999」ネタで落とされた。若年層に通じるのか?(褒めてる) ちなみに理解してなくても読めるけど、知ってると大笑いできるネタ大量。
- りおかんぽす@riocampos2025年3月28日読んでる7章を読んだ。奇数章なので仏教史パロ。仏教世界観。三千大千世界。マックスウェルの悪魔。顕密機械仏教。機械密教僧。HAL9000。 人間世界の密教を学ぶ為に非常に優れた、(不)適切なテキスト。
- りおかんぽす@riocampos2025年3月25日読み始めた読んでる「文學界」2022年2月号〜2023年12月号までの隔月連載で全12章であることを確認。 5章まで読み終えた。面白すぎ。 奇数章は仏教史になぞらえた機械仏教史。仏教史のテキストとして使えそう。読みながらニタニタしたり大笑いしたり。 偶数章はある未来の時点での、人工知能とその修理屋との物語。こちらはある種スリリング。
- kishirohara@hidalinae2025年3月7日読み終わったむ、むずかしかった! 基礎知識がもう少しあればもっと楽しめただろうなとひたすらに思いながら読んでいた。年末からの長い長い読書、おわり。
- 碧の書架@Vimy2025年3月7日読み終わった文庫化待ち私的「読んでたらかっこいい本」。難しいのは承知の上で挑戦したけど、読了に時間がかかりました…。 SFかと思って読み始めたら、壮大なギャグですねw 仕込まれたネタを存分に味わうには、仏教とプログラミングの知識が必要そうです。私はいちいち調べながら読みました。普通に読んで「これおもしれぇ〜w」って言えたらカッコよかったのになぁ…w 文章は全編通して研ぎ澄まされまくっています。真空の曼荼羅宇宙に来ちゃったような、はるか遠くまで見える透明感です。個人の感覚ですがw すごいものを読んでしまった…という達成感を味わえる本でした!
- kishirohara@hidalinae2025年3月6日読んでるまだ読んでるいま読んでいるのはこちら。年末からずっと読んでいる。むずかしいよ〜〜と言いながら読んでいる。時々うとうとしながら読んでいる。
- chroju@chroju2025年2月18日ちょっと開いた乱読第2弾。冒頭からソフトウェアエンジニアジョークが飛び交いまくる。生成AIは言語と人間の在り方を哲学的に概念的に変えてくると思うから、こういうSFをガシガシ読みたい。