移動と階級

61件の記録
- Sanae@sanaemizushima2025年7月10日読み終わった移動する人は成功する、という言葉には少し違和感をもっていて、その違和感に対しても丁寧に解説してくれている本だった。 膨大な情報から筆者がひとつひとつ読み解いてくれる。 経験上、仕事で、たとえば欧州と南米のカップルが第三カ国(アジアが多い)に一時的に住んで子どもを育てているような家族に出会ったり、旅行で数年間家に帰っておらず、ずっとサバティカルして、世界各地転々としつつ仕事している人に出会うこともある。 そんな中で移動も滞在も多様化しているなと感じることも多い今日この頃。 ジェンダー、障がいなども含め、多角的な面から格差を拾って移動についての検討は意義深いと思う。 筆者が移動について関心を持った理由も興味深かった。長野県のご出身で、首都圏から移住してくる人が多い土地でもある。移住者と触れ合う中で芽生えた関心とのことで、それもすごく納得。評判のパン屋さんって、長野に移っちゃうことが本当に多いんですもの!
- chimidori@chimidori2025年7月9日読み終わった要旨:移動の機会や自由には格差があり、その公平(モビリティ・ジャスティス)を実現する責任は誰もが負っている。そのために、可視化されていない当たり前を問い直し、格差や不平等と向き合いみんなで考え続けることが必要である。
- 勝村巌@katsumura2025年6月29日読み終わった毎週土曜の9時頃から配信されているYouTubeのニュース番組「人文ウォッチ」で紹介されていたので読んでみたら大変に興味深かった。 「行きたい場所に、いつでも行けますか」 「自分の移動を決めて、実行できますか」 という二つの問いに対して様々な社会、政治的状況を加味して全世代的に問いかけると、実は様々なバイアスがある、ということを網羅的に扱っている内容。 僕は都内在住で車などは持っていない。基本的な移動は公共の交通機関だった。玄が幼い頃はベビーカーに乗せてどこまでも行ったが、やはり渋谷や新宿などはの乗り換え駅では、色々と遠回りをしないと移動に難儀したことはよく覚えているし、また、2年前に板橋から都心に引っ越してきたことでモビリティが飛躍的に改善されたことは肌身に感じている。 移動資本やネットワーク資本というものが、万人に公平に与えられるべき移動可能性に強く作用している、という現代社会の状況を網羅的に解説してくれている。 すごく興味深い本でした。巻末にモビリティに興味のある人へのおすすめ本が入門的な内容から研究的なレベルの高い本まで紹介されているのも良かった。 大変におすすめな本です。 人文ウォッチ https://webgenron.com/articles/jinbunwatch
- 風来書房@furai_books2025年6月3日読み終わった「移動」にまつわる格差について読み解く本。おもしろかった。 現状把握と問題提起が主テーマなので、読んだ後にどのような形で自身のなかに取りこんでいくかが重要。 参考文献とはべつに列挙されている巻末ブックリストが、本文内で取り扱った幅広い関連事項のとっかかりとして非常に参考になる。
- mizuiro@transparency232025年5月29日読み終わった最近の興味関心と周辺要素が紐付いたりさらに拡張する内容だった。移動する人しない人の多様性にとどまらず、移動する人の中でも移動の動機や理由の内訳はそれぞれ置かれている状況などによっても異なること、そして公平性についての考察も興味深い。 かなり網羅的なので、参考文献やブックリストでより細やかに掘っていくのも面白そう。