語るに足る、ささやかな人生
205件の記録
- 糸太@itota-tboyt52026年4月26日読み終わった似ているけど何かが違う…ような気がするのだが、それは一体なんなのだろう。 本書の舞台であるアメリカのスモールタウンを取り巻く状況は、数十年の差こそあれ、現在の日本にも共通している。国道を迂回するバイパス沿いには、大型のチェーン店が次々と進出し、日本中どこも同じような風景に変えてしまっている。若者は土地を離れて高齢化が進み、地場産業には明るい未来が見通せず、村落共同体は弱体化の一途をたどる。 これに抗う動きも似ている。地方への移住を選択する若者は増えており、都会生活にはない人々の強い繋がりに、様々な社会問題を解決する糸口を見出したりしている。昔からの住人も自分たちの土地を見つめ直し、たとえば伝統行事の継承などを通じて、誇りを次世代へ繋げていこうとしているケースも多々見られる。 どの話もそのままスモールタウンに置き換えられそうだ。では、何が違っているというのか。まず初めに思いつくのは、目の前に広がる景色の雄大さである。 本を読んでの想像に過ぎないが、スケールの大きさたるや、日本ではとても体験し得ないものなのだろう。しかもこの「アメリカの大地というのは、基本的に不気味だ。うつすらと、しかし確実に気味悪い」と、著者の駒沢さんは感じ入っている。 あまりの大きさに気味が悪い感覚は、ポジティブにもネガティブにも働くに違いない。ふと、人智を超えた神のような存在が思い浮かぶ。望もうが望むまいが、大きすぎる景色に抱かれたスモールタウンは、あまねくこの存在の下にある。そして、この環境こそが、本書に登場する人々の、地に足がついた「自己肯定感」に直結するような気もするのだ。 すると、スモールタウンの住民がそれぞれに担っている「役割」も、すこし違って見えてくる。つまり、神のような大きな存在から与えられた「役割」だからこそ、揺るぎない自信を持ち得て暮らせているように思えてくる。 これは日本の場合とは少しニュアンスが違う。もちろん人口の少ない村落共同体で、与えられた「役割」によって責任が生じ、生きがいを感じることはあるだろう。自分の仕事が目に見える誰かのためになっていたら嬉しい。「ここにいていいんだ」という想いはより強く持てる。 でも、その「役割」を与えたのはあくまで共同体である。自分と同じ地平に立つ人間である。相対するのが山や海といった自然だとしても、それらはまだ応答可能な距離感の中にある。たとえ災害などの猛威に一方的に見舞われても、「何でだよ」と呟けるくらいの関係性はある気がする。 アメリカのスモールタウンと圧倒的に異なるのは、この点ではないか。有無を言わせぬほどの大いなる存在を、誰もが大前提として受け入れていること。あまりのスケールギャップを前にして、誰もが肩の力を抜いてフラットな人間関係を構築しているようにも見える。 もちろん単純に比較できる話ではないだろう。でも、こんな風に考えを巡らせてみたことで、今まで出会ったことのないアメリカの表情が垣間見えたようにも感じるのだ。 近ごろ、アメリカの負の側面ばかりを見せられ続けている。このタイミングで本書を手に取れたのは、本当に運が良かった。復刊に感謝!!


シモン@yansimon071103202026年4月10日読んでる読み終わったアメリカのスモールタウン(人口3千人程度まで)を車で巡る旅。宿泊先はモーテル。 面白い❣️そこでは素朴で強い人たちが反アメリカ的な生活を送っている🗽1995年〜1997年の記録。 30年経った今現在どうなっているだろう。 作家志望だったウィスコンシン州ダーリントンの少女キャシーはどんなおとなになったのだろうか。 インディアナ州モーガンタウンにある(あった)キャシーズ・カフェに行ってみたい。読んでいる間ぐーぐーお腹が鳴った。ホスピタリティは味にも比例している。これは日本でも当てはまる。








清水美穂子@favoriteworks2026年4月9日再読中ローング、ローング、タイム、アゴー アイオワ州にある廃墟のようなホテルを営む、ほとんど目の見えない老婆の昔話に、作者は耳を傾けている。好きなシーンの一つだ。 ごくささやかな小さな町だけを車で巡る旅。 そこで生きる、名もなき人たちとの出会い。 この本を読んでいると、初めてアメリカ中西部を訪れた頃のことがひどく懐かしく思い出されて、自分がこの老婆になってしまったことを知る。 『語るに足る、ささやかな人生』は最初の単行本で大好きになり、拙著『月の本棚 under the new moon』でも紹介した。 本の好きな誰かと話をするのは楽しいが、書店やカフェなどを巡るツアーで、この本はとくに旅好きの男性に人気があった。 わたしもアメリカ横断は長年の夢だった。 いまは復刻を喜びながら再読している。 それが、失われてしまったかもしれない風景だとしても、大好きだったアメリカの一部がそこにある。

Takaki Yamamoto@yama_taka2026年4月6日読み終わった1990年代にアメリカ各地のスモールタウンをレンタカーで巡った旅の記録。ハイウェイ、モーテル、カフェレストラン、ドライブインシアター。各地の土地柄を色濃く漂わせた、ちっぽけで、でも愛すべき町たちの風景と、出会った人々との思いがけないエピソードの数々。自身は通り過ぎていく旅人でしかないと自覚しながら、謙虚で誠実なまなざしで綴られている文章が好ましい。ダーリントンとモーガンタウンには、自分も行ってみたくなった。
ひなたの本好き@054-10ps2026年4月2日読んでるp.150まで。 昼休みに一章ずつちびちび読み進めている。 手に取った時の予感通り、やっぱり良い本だ。 気取っているようではないのにさらっと格好の良い文体。 スモールタウンに封じ込められているのは、いわゆる古き良きアメリカなのだろうか。 筆者はもちろん、『当たり』のスモールタウンに暮らす人々が新しいアメリカに危惧を抱いているのが印象的だった。 単調な毎日をいかに生きていくか。そのヒントが散りばめられているような気がしている。







- 羽毛@feather2026年3月29日読み終わったニューヨークからロサンゼルスへ。 一台の車が走り抜けるアメリカ横断の紀行文集。開拓期の古き良きアメリカの面影が重なるスモールタウンで暮らす市井の人々の人生を短編のように紡いでいく。時代の喧騒から取り残された田舎町に住み、小さな声音でとつとつと語る人生譚に耳を澄ませる。旅人である著者がそれぞれの街で出会った人たちに丁寧にインタビューを重ねて綴った体温の宿るエピソードが集められている。 力が正義といわんばかりの無法者ぶりがより目に余ってきた21世紀のアメリカ。居丈高に略奪行為を繰り返し、声高に雄叫びつつも、自称世界のリーダーから転落し続けているように感じるのは私だけだろうか? ICEの人権侵害や国際法を無視したイラン戦争へのフラストレーションも爆発し、トランプ大統領の支持率が過去最低を記録。「No Kings」(王はいらない)抗議デモが全米各地で記録的な規模で開催された日に読了できてよかった。 それは今にはじまった横暴ではなく、開国前の入植の略奪から度重なる戦争まで、アメリカが行ってきた行為の本質は変わっていないのかもしれない。けれどもこの国に暮らす人々がすべて悪人なはずもなく、実際に醜悪な国へと貶めてきたのは、国民を狡猾に騙してのしあがった一握りの権力者たちとその時々に栄えていた富裕層であることを自ずと浮かびあがらせる一冊。 新装版の単行本の表紙かわいいですね。 私は小学館の文庫版で読みました。


- Jun@flyfishing2026年3月29日買った@ 本とビール・カモシカ飯能にある書店カモシカさんで購入。棚ごとにキーワードがあり、そこに集まる形で様々な本が選書されている。本同士の距離感や、隣り合うことで違って見えてくるのも良いと感じた。

mayu@yatsu_books2026年3月28日読み終わった@ YUSHI CAFE広大な国土があるアメリカでは、ひとつの街から街まで膨大な距離があり、その間を繋ぐ細い糸の結び目のようにスモールタウンが点在している。車を走らせ、モーテルに泊まりながら、人口3000人程度のスモールタウンを巡り、そこで出会った人たちと言葉を交わしていきます。 強い意思を持ちながらそこで暮らす人、いつかそこを出ることを夢見る人、惰性で暮らす人、スモールタウンに住む理由はさまざまだけど、名も知らぬアメリカのスモールタウンの住民の人生を垣間見ることで、世界中のいたるところに、たくさんの「語るに足る、ささやかな人生」があることを想像することができる。それぞれの「語るに足る、ささやかな人生」がその場所にあることがわかります。 そんな”ささやかな物語”を探しに行くこともまた、旅をする理由なのかもしれません。世界は物語に満ちあふれている。









のぐち@knoguchi2026年3月26日読み終わった確かに毎日そのものは単調だ。しかしその単調な生き方を支えるための理由が明確にあり、人と人とのつながりが、単調さを帳消しにするような張り合いを与えていた。テレビや映画やその他数多くの娯楽が人から何かを奪い取り、その後に残された空漠とした虚しさのようなものの方が、よほど単調でしかも底のない不気味なものなのではないかと思った。そしてその底なしの心の穴には、暴力や苛立ちが音もなく入りこんでくるのだ 139 僕は思うのだけれど個人主義にとって必要な責任というのは、人間関係のなかにおいてこそ発生するものなんです。このブルックリンは典型的なスモールタウンですから、誰もが誰もを知っている。これは関係を学ぶ上で重要だね 208 人生がひとつの物語だとしたら・・・・・つまり人生という不確かなものが、物語として紡がれることによってようやく意味や形状を得るものだとしたら、その物語は記憶によって構成されている。 そのときはただの出来事でしかなかったことが、ある日ふと心に蘇って、そこには何かしら意味があるように映る。それは物語の匂いだ。胸のなかの熱るべきところに収まっていた記憶が時間を経て発酵をして、そして然るべき時間を自分で選んで表層に浮上してくる。それを人は人生の感触として受け取り、さまざまな過去を生きてきた遠近法を描く。そのようなものがひとつひとつ、あやふやな自分の支えとなっていく。 あるいはそれは、旅とも似ているかもしれない。旅のさなかにその旅を実感する人は、あまりいないのではないかと僕は思う。それよりも自分のしていることの無益さや愚かさに気づいて茫然とし、その旅について語る内容も意味も何も実感できない。動き始めてしまったから、それの終点まで完結してみせるだけだ。 270


ゆりな@yurinabc2026年3月24日読み始めたAmazonにもなくやっと手元に届いた一冊。ありがとう、福生のアメリカンなブックカフェ。 目次を眺めただけで、なんだかミニシアター系の映画みたいと思ったら似たことが「はじめに」にあり嬉しかった。
hanathedog@yumethedog2026年3月20日読み終わったアメリカの現代文学を集中して読んでいた頃、この本や、雑誌の連載など楽しく読んでいた。最近復刊されて、懐かしいと思い読み始めた。アメリカのスモールタウンを著者と一緒に旅しているよう。ウィリアムエグルストンの写真を思い浮かべながら読んだ(エグルストンの写真集欲しい欲も復活…高そう)
ひなたの本好き@054-10ps2026年3月19日買った@ KIMAMA BOOKS(キママブックス)ここ最近年度末ということもあって仕事が多忙を極めておりほぼ休みなく働きっぱなし。どうにかなりそうで、今日の午後は思い切って休みを取ることにきめた。そんな日は好きな本屋で面白そうな本を漁るに限る、ということで手に取った一冊。まず装丁が素敵。ほぼジャケ買いと言っていい。本の内容もアメリカのスモールタウンを巡る旅を描くというもので、今の現実からエスケープさせてくれるんじゃないかと期待しかない。さあ読むぞ読むぞー。










































































































































































